矯正治療で顔が変わる効果とは?横顔・口元の変化を解説
- 2026年4月4日
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葛飾区金町の歯医者・矯正歯科『かなまち志田歯科』です。
矯正治療を検討されている方が最も気になることの一つに、「歯列矯正で顔の印象は本当に変わるのか?」という疑問があるのではないでしょうか。歯並びを整えることは、単に見た目の美しさだけでなく、横顔のバランスや口元の突出感、フェイスラインなど、顔全体の印象に大きな影響を与える可能性があります。歯列矯正は歯を動かす治療ですが、その結果として、口元を支える骨や筋肉、皮膚といった軟組織にも変化が及び、顔つき全体のバランスが整うことが期待されます。
この記事では、歯列矯正によって顔のどの部分が、なぜ、どのように変化する可能性があるのかを詳しく解説します。理想の横顔とされるEラインの形成や、口元の突出感が解消されるメカニズム、さらにはフェイスラインが引き締まる理由など、具体的な変化のポイントをご紹介します。また、治療を検討する上で知っておくべきリスクや、後悔しないための対策についても触れていきますので、ぜひ最後まで読み進めて、ご自身の矯正治療への理解を深めてください。
歯列矯正で顔の印象が変わる理由
歯列矯正は歯並びを整える治療ですが、実は顔の印象にも大きな影響を与えることがあります。なぜ歯を動かすことが顔つきにまで変化をもたらすのでしょうか。ここでは、その根本的なメカニズムを「歯の移動」「噛み合わせ」「顎の骨格」という3つの視点から、分かりやすい言葉で詳しく解説していきます。
歯の移動に伴う口元の変化
歯列矯正による顔貌変化の中で最も基本的な原理となるのが、歯の移動が口元の軟組織、特に唇に与える影響です。たとえば、前歯が前に出ている「出っ歯」の症例で抜歯を伴う矯正治療を行う場合、抜歯によってできたスペースを利用して前歯を後方に移動させます。前歯は唇の土台となっているため、前歯が後退すると、その上にある唇も自然と後方に下がります。これにより、これまで前に突き出ていた口元の突出感が解消され、横顔のシルエットが大きく改善されます。この歯の移動による唇の位置の変化こそが、横顔の印象を変化させる主要な要因となるのです。
噛み合わせ改善による筋肉・輪郭への影響
噛み合わせの不調和は、顔の筋肉や輪郭にも影響を与えることがあります。たとえば、奥歯の噛み合わせが悪く、片側だけで噛む癖があったり、過度な食いしばりや歯ぎしりがあったりすると、顎の周りにある筋肉(咬筋)に過剰な負担がかかります。これにより、咬筋が発達してエラが張ったように見えたり、顔が大きく見えたりする原因となることがあります。歯列矯正によって正しい噛み合わせが得られると、顎関節への負担が軽減され、これらの筋肉の過緊張が和らぎます。結果として、咬筋の張りが目立たなくなり、フェイスラインがすっきりとして小顔効果が期待できる場合があります。
顎の骨格へのアプローチ
歯列矯正は歯を動かす治療であり、基本的に顎の骨格そのものを大きく変えるものではありません。しかし、歯の傾きや位置が変化することで、下顎の微妙な位置が変わり、それに伴って顔の輪郭の印象が変わることはあります。特に成長期のお子さんの場合は、成長する顎の骨格にアプローチして、その成長方向をコントロールする治療(顎顔面矯正など)が可能です。一方で、大人の骨格的な問題、たとえば重度の受け口(下顎前突症)のように顎の骨自体に大きなズレがある場合には、歯列矯正だけでは根本的な解決が難しいことがあります。そのようなケースでは、顎の骨を切って位置を整える「外科的矯正治療」という手術を伴う治療が必要になることもあります。
矯正治療で期待できる顔の変化
矯正治療によって、具体的に顔のどの部分にどのような変化が期待できるのかを詳しく見ていきましょう。横顔、口元、フェイスライン、そして笑顔の4つのポイントに分けて、治療前と治療後の印象がどのように変わる可能性があるのかを分かりやすく解説します。
横顔|Eラインが整い美しいシルエットに
横顔の美しさの指標の一つに、「Eライン(エステティックライン)」があります。これは、鼻の先端と顎の先端を直線で結んだラインを指します。理想的なEラインは、この直線上に唇が触れるか、やや内側にある状態とされています。
矯正治療によって、特に前歯が突出している「出っ歯」などの症例で歯を後方に移動させると、その土台となる唇も自然と後退します。これにより、唇がEラインの内側に収まりやすくなり、横顔のシルエットが劇的に整う効果が期待できます。洗練された印象の横顔は、知的で自信に満ちた表情を演出することにもつながるでしょう。
口元|突出感が解消されスッキリした印象に
「口ゴボ」という言葉で表現される、口元が全体的に前に突き出た状態は、横顔だけでなく正面から見たときの印象にも大きく影響します。唇が閉じにくく、無理に閉じようとすると顎に梅干しのようなシワができることもあります。
矯正治療では、抜歯を伴うケースなどで前歯全体を後方に移動させることにより、口元の盛り上がりが解消されます。これにより、唇が自然に閉じやすくなり、力みのないリラックスした表情になります。口元の突出感がなくなることで、横から見たときのシルエットがスッキリするだけでなく、正面から見たときも垢抜けた印象に変化することが期待できるでしょう。
フェイスライン・輪郭|エラ張りが改善し小顔効果も
噛み合わせの乱れは、顔の筋肉、特に咀嚼に使われる咬筋(こうきん)に過度な負担をかけることがあります。奥歯の噛み合わせが悪いことで過剰な食いしばりや歯ぎしりが生じると、咬筋が発達し、「エラが張っている」ように見え、顔が大きく見える原因になることがあります。
矯正治療によって正しい噛み合わせが確立されると、咬筋への過剰な負担が軽減され、筋肉の緊張が和らぎます。その結果、エラ張りが目立たなくなり、フェイスラインが引き締まって見えることがあります。また、顔の左右のバランスが整うことで、顔全体がシャープになり、小顔効果につながる可能性も期待できるでしょう。
笑顔|スマイルラインが整い自信のある笑顔に
美しい笑顔は、相手に好印象を与える重要な要素です。笑顔の美しさを評価する際に用いられるのが「スマイルライン」です。これは、笑った時に見える上の前歯の先端を結んだ線が、下の唇のカーブに沿って緩やかな弧を描いている状態を指します。
歯並びがデコボコしていたり、歯の長さが不揃いだったりすると、このスマイルラインが乱れてしまいます。矯正治療で歯並びを整えることで、理想的なスマイルラインが形成され、より魅力的な笑顔になります。人前で口元を気にせず、心から笑えるようになることは、精神的な自信にもつながる大きなメリットと言えるでしょう。
また、笑った時に歯茎が大きく見えてしまう「ガミースマイル」の改善にもつながるケースがあります。歯並びの改善とともに、歯茎の見え方も変化し、よりバランスの取れた笑顔が手に入る可能性があります。
【症例別】顔が変わりやすい歯並びとは?
矯正治療による顔の変化は、元の歯並びの状態によって大きく異なります。特に、顔の骨格や口元のバランスに影響を与えている歯並びの場合、治療後の変化をより実感しやすいでしょう。ここでは、どのような歯並びで顔の印象が変わりやすいのかを症例別に解説します。ご自身の歯並びと照らし合わせながら、治療によってどのような変化が期待できるのかを具体的にイメージしてみてください。
出っ歯(上顎前突)
出っ歯(上顎前突)とは、上の前歯や上顎が全体的に前方へ突き出ている状態を指します。この歯並びの方は、上唇が前方に突出して口元が閉じにくかったり、無理に閉じようとして顎に梅干しのようなシワができたりといった顔貌の特徴が見られます。また、口が閉じにくいため、口呼吸になりやすい傾向もあります。
矯正治療で上の前歯を後方に下げることで、口元の突出感が解消され、唇が自然と後退します。これにより、鼻先と顎先を結んだEラインが整い、横顔のシルエットが大きく改善される効果が期待できます。口元が引っ込むことで、口が閉じやすくなり、リラックスした自然な表情を手に入れることができるでしょう。
受け口(下顎前突・しゃくれ)
受け口(下顎前突)は、下の前歯が上の前歯よりも前に出ている状態、または下顎が全体的に前方に出ている状態を指します。「しゃくれ」と呼ばれることもあり、横顔では下顎のラインが強調され、顔全体のバランスが崩れて見えることがあります。
矯正治療では、下の前歯を後方に移動させたり、上の前歯を前方に動かしたりすることで、上下の歯の前後的な位置関係を改善します。これにより、反対咬合(上下の歯の噛み合わせが逆の状態)が解消され、下顎の突出感が和らぎ、横顔のバランスが整うことが期待できます。ただし、骨格的な問題が非常に大きい重度の受け口の場合には、歯の移動だけでは限界があるため、外科手術を併用する外科的矯正治療が必要となるケースもあります。
口ゴボ(上下顎前突)
「口ゴボ(上下顎前突)」とは、上下の歯がともに前方へ突出している状態を指します。これにより、口元全体がこんもりと盛り上がって見え、唇が閉じにくかったり、鼻の下から唇、顎にかけてのラインが直線的になったりといった特徴が現れます。横顔のEラインからは口元が大きくはみ出していることがほとんどです。
この口ゴボの症例は、矯正治療による顔貌変化が最も大きく期待できるケースの一つです。多くの場合、抜歯を伴う治療計画が立てられ、抜歯によってできたスペースを利用して、上下の歯全体を大きく後方に移動させます。これにより、口元全体の突出感が劇的に解消され、横顔のシルエットが大きく改善されます。唇が自然に閉じられるようになり、スッキリとした洗練された印象へと変化することが期待できます。
開咬(オープンバイト)
開咬(オープンバイト)とは、奥歯でしっかりと噛み合わせても、上下の前歯が接触せず、隙間が空いてしまう状態を言います。この状態だと、常に口元が半開きになりがちで、唇を閉じようとすると口周りの筋肉に不自然な力が入り、顎周りが緊張して間延びした顔の印象を与えてしまうことがあります。
矯正治療によって前歯がしっかり噛み合うようになると、口を自然に閉じられるようになり、口周りの筋肉の過緊張が解消されます。これにより、顎のラインが引き締まった印象になり、顔全体のバランスが整う効果が期待できます。また、口が閉じやすくなることで、口呼吸の改善にもつながるメリットもあります。
ガタガタの歯並び(叢生)
歯がデコボコに重なり合って生えている状態を「叢生(そうせい)」と言います。八重歯も叢生の一種です。歯が並びきらずに重なっているため、歯列全体が外側に張り出して見えたり、口元が窮屈な印象を与えたりすることがあります。
叢生の矯正治療では、歯をきれいに並べるために、歯列を拡大したり、場合によっては抜歯を伴ってスペースを確保したりします。治療方針によって、口元の印象の変化は異なります。
例えば、歯列を横方向に広げて歯を並べた場合、頬のラインがふっくらとして健康的な印象になることがあります。一方で、抜歯をして歯列全体をコンパクトにまとめた場合は、口元がスッキリと引き締まった印象になるでしょう。このように、叢生の治療でも、口元の印象に変化が生まれる可能性があります。
矯正で顔が変わるのはいつから?変化のタイミング
矯正治療を検討されている方にとって、「顔の印象がいつ頃から、どのように変わっていくのか」は特に気になる点ではないでしょうか。ここでは、治療開始から終了、そして保定期間に至るまで、顔にどのような変化が現れやすいのかを時系列で詳しくご説明します。ご自身の治療計画と照らし合わせながら、現実的な変化の時期を理解することで、治療への期待と不安のバランスを取り、安心して治療に臨んでいただけるでしょう。
治療初期(〜3ヶ月):噛みづらさや筋肉の変化
矯正治療を開始してからの数ヶ月は、歯の動きよりも、むしろお口の中の環境の変化に慣れる時期と言えます。装置を装着することで、一時的に噛みづらさを感じたり、お食事の際に頬の内側を噛んでしまったりすることがあります。これにより、これまで使っていた咀嚼筋(噛むための筋肉)の使い方が変わり、一時的に頬の筋肉が落ちたように感じて、顔が「こけた」ように見える方もいらっしゃいます。
しかし、この段階での顔の変化は、歯が大きく動いたことによるものではなく、あくまで装置に慣れる過程での一時的な変化であることがほとんどです。装置による違和感が和らぎ、食事が通常通りできるようになれば、筋肉も自然と元に戻ることが多いので、この時期に過度な心配は不要です。
治療中期(半年〜1年):見た目の変化を実感し始める
治療開始から半年から1年が経過すると、多くの患者様がご自身の顔の変化を目に見えて実感し始めるようになります。特に、抜歯を伴う矯正治療では、この時期に抜歯したスペースに向かって前歯が少しずつ後ろに移動し始めるため、口元の突出感が緩和され始めます。
鏡を見たときに、「口元が少し引っ込んだ気がする」「横顔がスッキリしてきた」といった変化を感じる方が多く、ご友人やご家族から「最近、顔つきが変わったね」と指摘されることも珍しくありません。この時期は、治療のモチベーションがさらに高まり、変化を実感できる楽しさを感じられる大切な期間と言えるでしょう。
治療後期・保定期間:変化の安定と定着
治療が終盤に差し掛かると、歯並びはほぼ理想的な状態に近づき、それに伴い顔貌の変化も最終的な状態に落ち着いてきます。噛み合わせが安定することで、顎周りの筋肉のバランスも整い、より自然で美しいフェイスラインが確立されるでしょう。
矯正装置が外れた後も、治療によって動かした歯が元の位置に戻ろうとする「後戻り」を防ぐために、リテーナーと呼ばれる保定装置を装着する「保定期間」が非常に重要になります。この期間にしっかりとリテーナーを使用することで、獲得した新しい歯並びと、それによって得られた顔貌の変化をしっかりと定着させ、長期的に維持することができます。歯科医師の指示に従い、正しく保定装置を使用することが、理想の顔立ちを保つための鍵となります。
知っておきたい矯正治療のリスク|「顔が変わって後悔」を防ぐために
歯列矯正は理想的な口元や横顔へと導く可能性を秘めていますが、一方で望まない変化が起こるリスクもゼロではありません。矯正治療を検討されている方の中には、「顔が変わりすぎて後悔しないか」といった不安を抱いている方もいらっしゃるでしょう。ここでは、矯正治療で起こりうる顔の変化に関するリスクと、その「後悔」を防ぐために知っておくべき対策について、具体的な情報をお伝えします。
頬がこけて老けた印象になる?
矯正治療後に「頬がこけた」「老けた印象になった」と感じる方がいらっしゃいます。これにはいくつか原因が考えられます。
一つ目は、治療中に食事の際に噛む回数が減ったり、装置に慣れるまで食べづらさを感じたりすることで、一時的に咀嚼筋(噛むための筋肉)が衰え、頬のボリュームが減少することです。この変化は治療中のものなので、多くの場合は治療終了後に元の状態に戻っていきます。
二つ目は、抜歯を伴う矯正治療で歯列全体が大きく内側に入りすぎた結果、口元を支えていた骨格が変化し、頬が相対的にこけて見えるケースです。これは治療計画に起因するため、特に慎重な検討が必要です。
三つ目は、もともと頬骨が高い方が口元の突出感が解消されることで、相対的に頬骨が強調され、結果として頬がこけて見えるようになる場合です。これらの可能性について、治療開始前に歯科医師と十分に話し合い、シミュレーションを通じて確認することが大切です。
ほうれい線が目立つようになる?
出っ歯の治療などで口元が大きく後退すると、今まで歯によって支えられていた唇や頬の皮膚にたるみが生じ、ほうれい線が以前よりも目立つようになる可能性があります。これは特に、口元の突出感が大きかった方や、年齢を重ねて皮膚の弾力が低下している方に起こりやすいリスクの一つです。ほうれい線の変化は、個人の顔立ちや皮膚の状態によっても異なりますが、矯正治療による口元の変化が、顔全体の印象に影響を与える可能性があることを理解しておくことが重要です。治療計画の段階で、歯科医師にほうれい線への影響について相談し、納得のいく説明を受けるようにしましょう。
理想と違う顔つきになったときの後悔
矯正治療が客観的に成功したとしても、ご自身の「理想」と仕上がりの顔つきが異なると、「後悔」につながることがあります。例えば、「もう少し口元を下げたかったけれど、期待したほど変化がなかった」と感じたり、逆に「口元が下がりすぎて、少し印象が変わってしまった」と感じたりすることもあるかもしれません。歯科医師と患者さんの間で、治療後の変化に対するイメージにずれがあると、このような主観的な不満が生じやすくなります。治療の目標設定の段階で、具体的なイメージを共有し、ミスマッチが起こらないよう綿密なコミュニケーションをとることが大切です。
後悔しないための対策とは
矯正治療で後悔しないためには、事前の準備と歯科医師との連携が非常に重要です。
一つ目の対策は、治療経験が豊富で信頼できる歯科医師を選ぶことです。日本矯正歯科学会の認定医など、専門的な知識と技術を持つ歯科医師を選ぶことで、適切な治療計画と質の高い治療が期待できます。
二つ目は、カウンセリング時に、ご自身が「どのような顔になりたいか」という具体的なイメージを、写真や画像などを用いて明確に伝えることです。漠然とした希望ではなく、具体的な資料を見せることで、歯科医師との間で治療のゴールを明確に共有できます。
三つ目は、治療計画やシミュレーションについて十分に説明を受け、納得した上で治療を開始することです。抜歯の必要性や、歯を動かす量、それによって起こりうる顔の変化について、疑問や不安な点があれば納得できるまで質問しましょう。複数の歯科医院でセカンドオピニオンを聞くことも、後悔しないための有効な手段の一つです。
ワイヤー矯正とマウスピース矯正で顔の変化に違いはある?
矯正治療を検討している方にとって、どの治療法を選ぶかは大きな悩みの一つでしょう。特に、顔の印象がどれくらい変わるのかという点も、治療法を選ぶ上で気になるポイントかもしれません。ワイヤー矯正とマウスピース型矯正という代表的な治療法において、顔の変化の度合いに違いがあるのか、詳しく見ていきましょう。
抜歯の有無が顔の変化に大きく影響する
実は、顔の印象の変化に最も大きく影響するのは、矯正装置の種類そのものではなく、「治療計画」です。特に、抜歯をするかどうかが顔の変化に大きく関わってきます。
口元を大きく後退させたい、いわゆる「口ゴボ」を改善したいといったダイナミックな顔貌の変化を望む場合は、歯を並べるスペースを確保するために抜歯が必要になることが多くあります。抜歯をすることで、前歯を大きく後ろに移動させることが可能になり、それに伴って唇の位置も変わり、横顔のEラインや口元の突出感が大きく改善されることが期待できます。
この抜歯を伴う治療は、ワイヤー矯正でもマウスピース型矯正でも適用することが可能です。しかし、症例の適応範囲という点で考えると、歯を大きく複雑に動かす必要がある症例や、重度の叢生(歯のガタつき)などでは、ワイヤー矯正の方がより幅広いケースに対応できる傾向があります。もちろん、マウスピース型矯正も日々進化しており、以前では難しかった症例にも対応できるようになってきています。
どちらの装置を選んだとしても、まずはご自身の歯並びや口元の状態を歯科医師としっかり相談し、ご自身の希望する変化に合わせた治療計画を立てることが何よりも重要です。
3Dシミュレーションで治療後の顔貌を予測
マウスピース型矯正、特にインビザラインなどの治療では、治療を始める前に「クリンチェック」と呼ばれる3Dシミュレーションを行うことが大きな特徴です。このシミュレーションでは、治療開始から終了までの歯の動きをコンピュータ上で立体的に確認することができます。
ご自身の歯がどのように動いていくのか、最終的にどのような歯並びになるのかを視覚的に把握できるため、治療後のイメージがしやすくなるという利点があります。これにより、治療に対する不安を軽減し、モチベーションを高く保つことにもつながるでしょう。
ただし、一つ注意しておきたい点があります。この3Dシミュレーションは、主に歯の動きとそれに伴う噛み合わせの変化を予測するものです。唇や頬といった軟組織、つまり口元のラインやフェイスラインなどの顔貌の変化については、あくまで歯の動きからの予測となります。
例えば、歯が後退することで唇がどれくらい引っ込むか、フェイスラインがどれくらいスッキリするかといった点は、患者さん一人ひとりの骨格や筋肉、皮膚の状態によって異なるため、シミュレーション通りの変化が厳密に再現されるわけではありません。そのため、シミュレーションはあくまで参考の一つとして捉え、過度な期待はせず、最終的な顔貌の変化については担当の歯科医師と十分に話し合うことが大切です。
顔の変化だけじゃない!歯列矯正がもたらす健康面のメリット
歯列矯正は、顔の見た目を美しくするだけでなく、全身の健康にも多くの良い影響を与えます。見た目の改善は矯正治療の大きな動機の一つですが、それ以上に、長期的な生活の質(QOL)向上に寄与する健康面のメリットも忘れてはなりません。ここでは、審美的な側面だけでなく、歯列矯正がもたらす健康上の利点について詳しく見ていきましょう。
虫歯や歯周病のリスク軽減
歯並びが乱れていると、歯と歯が重なり合っていたり、歯ブラシが届きにくい隙間があったりして、丁寧に磨いているつもりでも、食べかすや歯垢(プラーク)が残りやすくなります。これが虫歯や歯周病の原因となることは少なくありません。
歯列矯正によって歯並びがまっすぐ整うと、歯ブラシがすみずみまで届きやすくなり、毎日の歯磨きで効率的にプラークを除去できるようになります。その結果、虫歯や歯周病のリスクを大幅に減らすことにつながります。これは、将来的に自分の歯を健康に保ち、歯の寿命を延ばすための大切な投資と言えるでしょう。
咀嚼機能の向上と消化促進
正しい噛み合わせは、食べ物をしっかり噛み砕くために不可欠です。歯並びが悪いと、特定の歯に負担がかかったり、食べ物を効率的にすり潰せなかったりするため、十分に咀嚼せずに飲み込んでしまうことがあります。
歯列矯正で噛み合わせが改善されると、食べ物全体を均等に効率よく噛むことができるようになります。よく噛んで食べることで唾液の分泌も促進され、消化酵素の働きが活発になるため、胃腸への負担が減り、栄養の吸収効率も高まります。これは消化器系の健康だけでなく、全身の健康維持にも良い影響をもたらします。
滑舌や発音の改善
歯並びは、言葉を発する際の舌の位置や空気の流れに大きく影響します。特に、前歯の隙間が広すぎる場合や、前歯が突出している場合、または反対に噛み合っていない開咬(オープンバイト)の場合などには、「サ行」や「タ行」といった特定の音が不明瞭になったり、息が漏れてしまったりすることがあります。
歯列矯正によって歯の位置や噛み合わせが正常に整うと、舌の動きがスムーズになり、正しい発音ができるようになります。発音が明瞭になることで、人とのコミュニケーションがより円滑になり、自信を持って話せるようになるという心理的なメリットも期待できます。
まとめ:理想の顔立ちを目指すなら、まずは専門医への相談から
これまでお話ししてきたように、歯列矯正は単に歯並びを整えるだけでなく、横顔のEライン、口元の突出感、フェイスラインなど、顔全体の印象に大きな変化をもたらす可能性があります。多くの方が、矯正治療を通して自信を持って笑えるようになり、ご自身の魅力がさらに輝くことを期待しています。
しかし、矯正治療による顔の変化は、元の歯並びの状態や治療計画、抜歯の有無によって一人ひとり異なります。また、まれに「頬がこけたように感じる」「ほうれい線が目立つようになった」といった、望まない変化が起こるリスクもゼロではありません。このような不安を解消し、理想の顔立ちに近づくためには、治療を始める前の段階が非常に重要となります。
最も大切なことは、信頼できる矯正専門医に相談することです。経験豊富な歯科医師は、あなたの歯並びや顎の骨格だけでなく、顔全体のバランスを考慮した上で、最適な治療計画を提案してくれます。カウンセリングの際には、あなたがどのような顔立ちになりたいのか、具体的なイメージを写真などを使って明確に伝え、医師と治療のゴールをしっかりと共有しましょう。
治療計画の内容や、抜歯の必要性、歯を動かす量、そしてそれに伴う顔の変化について、納得できるまで説明を受け、疑問や不安な点をすべて解消してから治療の一歩を踏み出すことが、後悔のない矯正治療につながります。ぜひ、専門医と共に理想の未来を築いていきましょう。
よくある質問(FAQ)
ここでは、矯正治療による顔の変化に関してよくある疑問に、Q&A形式で分かりやすくお答えします。治療を検討している方が抱きやすい具体的な疑問を解消し、より深い理解へと繋げましょう。
Q1. 矯正で整形級の変化は期待できますか?
矯正治療は骨格そのものを変える美容整形とは異なり、歯の位置を動かすことで顔のバランスを整える治療です。しかし、口ゴボや重度の出っ歯(上顎前突)のように口元が大きく突出している症例では、歯を適切な位置に移動させることで口元全体が劇的に変化し、「整形した?」と周りの人に言われるほどの印象の変化が起こることは十分にあり得ます。
特に、抜歯を伴って前歯を大きく後退させる治療計画の場合、横顔のEラインが整い、口元の突出感が解消されることで、顔全体の印象が大きく改善されることが多いです。この変化はあくまで歯並びを整えた結果であり、骨格手術のようなリスクを伴わずに顔立ちの印象を大きく変えることができる点が、矯正治療の大きな魅力の一つと言えるでしょう。
Q2. 抜歯をしないと顔は変わりませんか?
必ずしもそうではありません。抜歯を伴う矯正治療の方が、歯を大きく動かせるため、口元の突出感を解消するなど、顔の印象に大きな変化をもたらしやすい傾向にあるのは事実です。しかし、非抜歯の矯正治療でも顔の変化は十分に期待できます。
例えば、歯列のアーチを適切な形に広げたり、噛み合わせのバランスを改善したりすることで、口周りの筋肉の緊張が緩和され、フェイスラインがスッキリするといった変化が期待できます。また、歯並びが整うことで唇が閉じやすくなり、口元の自然な表情が得られることも、顔の印象を大きく左右する要素です。もちろん、個々の歯並びや顎の状態によって変化の度合いは異なりますので、具体的な変化については歯科医師と十分に相談することが重要です。
Q3. 治療後に顔が元に戻ることはありますか?
矯正治療によって整えられた歯並びは、元の位置に戻ろうとする「後戻り」を起こす可能性があります。そして、歯が後戻りすると、それに伴って口元の突出感やフェイスラインなど、顔の印象も治療前の状態に近づいてしまう可能性があります。
このような後戻りを防ぎ、矯正治療で得られた美しい歯並びと理想の顔のバランスを長く維持するためには、治療後の「保定期間」にリテーナー(保定装置)を正しく装着することが非常に重要です。リテーナーは、動かした歯が新しい位置で安定するまで支える役割を果たします。歯科医師の指示通りにリテーナーを装着し続けることが、治療後の満足度を保ち、美しい歯並びと顔立ちを維持する鍵となります。
少しでも参考になれば幸いです。
本日も最後までお読みいただきありがとうございます。
監修者
志田 祐次郎 | Shida Yujiro
日本大学松戸歯学部卒業後、国保旭中央病院、医療法人恵潤会つるみ歯科・小絹つるみ歯科に勤務し、医療法人Belldent志田歯科の理事を務める。 学校法人広沢学園つくば歯科衛生士専門学校の講師を経て、絹の台歯科クリニック、いちファミリー歯科クリニックで勤務を重ね、2020年に「かなまち志田歯科」開院。
【所属】
【略歴】
- 日本大学松戸歯学部 卒業
- 国保旭中央病院 前期・後期研修
- 医療法人恵潤会つるみ歯科・小絹つるみ歯科 勤務
- 医療法人Belledent志田歯科 理事
- 学校法人広沢学園つくば歯科衛生士専門学校 講師
- 絹の台歯科クリニック 常勤勤務
- いちファミリー歯科クリニック 非常勤
金町駅/京成金町駅徒歩2分の歯医者・矯正歯科
『かなまち志田歯科』
住所:東京都葛飾区金町6-1-7 LCプレイス1階
TEL:03-5876-3443