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医療コラム

その親知らず、抜く必要ないかも?放置OKな生え方の見分け方|金町駅徒歩2分の歯医者・矯正歯科「かなまち志田歯科」平日20時/土曜18時まで診療の総合歯科医

その親知らず、抜く必要ないかも?放置OKな生え方の見分け方

その親知らず、抜く必要ないかも?放置OKな生え方の見分け方

葛飾区金町の歯医者・矯正歯科『かなまち志田歯科』です。

親知らずに痛みや違和感があると、「抜かなければならない」と思い込み、抜歯への不安から受診をためらってしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、必ずしもすべての親知らずを抜く必要があるわけではありません。実は、生え方や周りの歯への影響によっては、抜かずに経過を観察するという選択肢も十分に可能なのです。

この記事では、抜かなくても良い親知らずの具体的なケースと、逆に抜いた方が良い親知らずのサインについて、わかりやすく解説します。ご自身の親知らずの状態と照らし合わせながら読み進めていただくことで、歯科医師に相談する前に、ある程度の判断基準を持つことができるでしょう。この情報が、親知らずの悩みから解放され、安心して歯科医院を受診するきっかけとなれば幸いです。

「親知らずは抜くもの」は常識?実は抜かない選択肢もある

「親知らずは生えてきたら抜くのが当たり前」と考えている方は多いのではないでしょうか。確かに、多くの歯科医院で抜歯が推奨される背景には、将来的な虫歯や歯周病、さらには歯並びへの悪影響といったリスクが潜んでいるためです。特に、親知らずが斜めに生えたり、一部だけ歯ぐきから顔を出しているような場合は、汚れが溜まりやすく、トラブルを引き起こす可能性が高まります。

しかし、すべての親知らずが抜歯の対象となるわけではありません。親知らずの生え方や、周囲の歯、お口全体への影響によっては、無理に抜かず「経過観察」という選択肢も十分に可能です。抜歯を伴う治療は、患者さんにとって少なからず負担がかかるものです。そのため、歯科医師は、親知らずが現在引き起こしている問題だけでなく、将来的なリスクや、抜歯のメリット・デメリットを総合的に評価し、患者さんの状態に合わせた最適な治療方針を提案しています。

抜歯か経過観察かの判断は、専門的な知識と経験に基づいて行われます。自己判断で「抜かなければならない」と思い込まず、まずは歯科医師に相談し、ご自身の親知らずの状態を正確に把握することが大切です。

そもそも親知らずとはどんな歯?

親知らずは、歯科用語では「第三大臼歯(ださんだいきゅうし)」と呼ばれ、永久歯の中で最も遅く生えてくる歯です。一般的に10代後半から20代頃に生えてくることが多く、すでに他の永久歯が生えそろった後に生えてくるため、「親に知られることなく生えてくる歯」として「親知らず」という名前がつけられました。

親知らずは通常、上下左右に1本ずつ、合計4本生えてくる可能性があります。しかし、人によっては1本も生えてこなかったり、2本や3本だけ生えてきたりと、本数には個人差があります。また、生まれつき親知らずの元となる歯胚(しはい)がない「先天性欠如」のケースも珍しくありません。親知らずの生え方も様々で、他の奥歯と同じように真っ直ぐきれいに生えることもあれば、斜めに傾いて生えたり、顎の骨の中に完全に埋まったまま歯ぐきから出てこなかったりするパターンもあります。

抜歯だけが選択肢ではない!親知らずとの付き合い方

親知らずが見つかった場合、その付き合い方には大きく分けて「抜歯」と「経過観察」の2つの選択肢があります。抜歯は、痛みや腫れ、虫歯などのトラブルを引き起こしている、または将来的に引き起こす可能性が高い親知らずを根本的に解決する方法です。

一方、経過観察は、現時点で親知らずが問題を引き起こしておらず、適切に管理できる場合に選択される方法です。これは「何もしない」ということではなく、定期的に歯科医院でチェックを受け、親知らずの状態やお口全体の健康を維持しながら、トラブルの兆候がないかを見守っていくというものです。ご自身の親知らずの状態やライフスタイルに合わせて、歯科医師と相談しながら最適な方法を選ぶことが重要です。

【放置OK】抜く必要がない親知らずの4つのケース

親知らずは必ずしも抜かなければならない歯ではありません。ここでは、抜歯せずに経過観察で問題ないとされる親知らずの具体的なケースを4つご紹介します。ご自身の親知らずの状態と照らし合わせながら読み進めてみてください。ただし、これらは一般的な目安であり、最終的な判断は必ず歯科医師による専門的な診断が必要となることを忘れないでください。

抜歯が不要な親知らずのケースは、主に以下の4つです。

ケース1:真っすぐきれいに生えている

ケース2:完全に骨の中に埋まっている(完全埋伏)

ケース3:上下でしっかり噛み合っている

ケース4:歯磨きがしやすく清潔に保てている

これらのケースに当てはまる親知らずであれば、無理に抜歯をする必要はなく、定期的なチェックで共存できる可能性があります。

ケース1:真っすぐきれいに生えている

親知らずが他の奥歯と同じように垂直に、そしてきれいに生えていて、歯ぐきから完全に露出している場合は、抜歯をせずに経過観察となることが多いです。隣の歯を圧迫したり、歯並びに悪影響を与えたりする心配がなければ、無理に抜く必要はありません。このような親知らずは、正常な奥歯と同じように機能し、食べ物を噛むことにも貢献できます。

ただし、この「真っすぐきれいに生えている」状態であっても、最も重要な前提条件となるのが「清掃が容易であること」です。親知らずは口の奥に位置するため、歯ブラシが届きにくいことがあります。きちんと歯磨きができ、虫歯や歯周病のリスクを管理できる場合にのみ、抜歯をせずに残すという選択肢が有効になります。

ケース2:完全に骨の中に埋まっている(完全埋伏)

親知らずが顎の骨の中に完全に埋まっていて、歯ぐきから一切露出していない状態を「完全埋伏(かんぜんまいふく)」といいます。レントゲン検査で確認した際に、痛みや腫れ、嚢胞(のうほう)などの問題が全くなく、今後も問題を起こす可能性が低いと判断されれば、経過観察となることがほとんどです。

深く骨に埋まっている親知らずの抜歯は、神経損傷などのリスクを伴う外科的な処置となるため、現在問題がないのであれば、あえて抜かずに定期的に状態をチェックしていくのが賢明な判断となる場合があります。ただし、将来的に問題を起こすリスクがないかを歯科医師が慎重に判断する必要があります。

ケース3:上下でしっかり噛み合っている

親知らずが、その対合歯(噛み合う相手の歯)と上下でしっかりと噛み合っており、他の歯と同様に咀嚼機能の一部として役立っている場合も、抜歯は不要と判断されることが多いです。このような親知らずは、歯としての役割をきちんと果たしているため、残しておくことにメリットがあります。

一方で、上下どちらかの親知らずしか生えておらず、噛み合う相手がいない場合は注意が必要です。噛み合う歯がない親知らずは、歯ぐきから徐々に飛び出してくる(挺出する)ことがあり、これが原因で向かいの歯ぐきを傷つけたり、顎の動きを妨げたりすることがあります。このような場合は、抜歯を検討する必要が出てくることもあります。

ケース4:歯磨きがしやすく清潔に保てている

これまでに挙げた「抜かなくても良い親知らず」のケースに共通する、最も重要な前提条件は「清掃がしやすいかどうか」です。親知らずは口の最も奥に位置するため、歯ブラシが届きにくく、食べかすやプラークが溜まりやすい傾向があります。たとえ真っすぐきれいに生えていたとしても、きちんと歯磨きができていなければ、虫歯や歯周病のリスクは高まってしまいます。

日々の適切なセルフケアによって親知らずを清潔に保ち、虫歯や歯周病にならないように管理できる場合にのみ、抜歯をせずに親知らずを残す選択が現実的になります。ご自身でのケアが不可欠ですので、歯科医院で正しい歯磨き方法の指導を受けることも大切です。

抜かなくても大丈夫?放置する場合の注意点と定期検診の重要性

「抜歯の必要がない」と判断された親知らずでも、そのまま何もしなくて良いというわけではありません。今は問題がなくても、加齢による免疫力の低下や、お口の中の環境変化によって、将来的にトラブルを引き起こす可能性は十分に考えられます。例えば、親知らずが原因で虫歯になったり、歯ぐきの炎症を繰り返す「智歯周囲炎」になったりするケースは少なくありません。そのため、抜歯しないと決めた場合でも、適切な管理が非常に重要になります。

親知らずを抜かずに残す上で、最も大切になるのが定期的な歯科検診です。半年に一度程度のペースで歯科医院を受診し、レントゲン撮影を含む詳細なチェックを受けることで、親知らずやその周囲に変化がないかを早期に発見できます。もし何か問題の兆候が見つかったとしても、初期段階で対処できれば、抜歯のような大掛かりな処置を避けられる可能性が高まります。早期発見・早期介入は、お口の健康を長く維持するための基本であり、親知らずの管理においても例外ではありません。

定期検診は、単に問題を早期に発見するだけでなく、現在の親知らずの状態や、将来的なリスクについて歯科医師から説明を受ける貴重な機会でもあります。これにより、ご自身の親知らずとどのように向き合っていくべきかを理解し、不安なく日常生活を送れるようになるでしょう。自己判断で「大丈夫だろう」と放置せずに、定期的に専門家によるチェックを受けることが、安心へとつながる一番の近道です。

放置は危険!抜いた方が良い親知らずの5つのサイン

ここまで抜かずに済む親知らずのケースをご紹介しましたが、残念ながらすべての親知らずが経過観察で良いわけではありません。痛みや違和感を放置していると、将来的にさらに大きなトラブルに繋がり、治療も大掛かりになってしまう可能性があります。

このセクションでは、抜歯を積極的に検討すべき親知らずの状態、つまり「放置は危険」というサインを5つご紹介します。もしご自身の親知らずに当てはまる項目があれば、自己判断せずに速やかに歯科医師に相談することが重要です。これから挙げるサインを確認し、ご自身の親知らずの状態と照らし合わせてみてください。

サイン1:虫歯や歯周病になっている、またはそのリスクが高い

抜歯が強く推奨される代表的なケースの一つが、親知らず自体が虫歯になっていたり、その親知らずが原因で隣接する大切な歯が歯周病になっていたりする場合です。

親知らずは、口の最も奥に位置しているため、歯ブラシが届きにくく、丁寧に磨いているつもりでも磨き残しが生じやすい場所です。そのため、一度虫歯になってしまうと治療器具が届きにくく、治療自体が困難になることが少なくありません。また、治療できたとしても再発のリスクが高く、長期的な視点で見ると抜歯が最も確実な解決策となることが多々あります。

さらに、今は問題がなくても、その生え方から清掃が極めて困難で、将来的に高い確率で虫歯や歯周病になることが予測される場合もあります。このようなケースでは、予防的な観点から歯科医師が抜歯を勧めることもあります。手前の歯を守るためにも、早めに相談しましょう。

サイン2:斜めや横向きに生えて、隣の歯を圧迫している

親知らずが斜めに傾いて生えていたり、完全に横向き(水平埋伏)に生えていたりするケースでは、抜歯の対象となることがほとんどです。

このような生え方の親知らずは、手前にある健康な第二大臼歯の根元を物理的に圧迫し続けることがあります。この圧力によって、隣の歯の根が少しずつ溶けてしまう「歯根吸収」を引き起こしたり、親知らずと隣の歯の間に食べカスが詰まりやすい隙間を作り出して、隣の歯を虫歯にしてしまったりするリスクが高まります。手前の歯は咀嚼機能において非常に重要な役割を担っており、これを守るためにも、原因となっている親知らずの抜歯が必要となることが多いです。

サイン3:痛みや腫れを繰り返している(智歯周囲炎)

親知らずの周りの歯ぐきが、細菌感染によって炎症を起こす病気を「智歯周囲炎(ちししゅういえん)」といいます。特に、親知らずが歯ぐきから完全に生え出ずに一部だけ見えている状態(半埋伏)で起こりやすく、多くの人が経験する親知らずのトラブルの一つです。

智歯周囲炎の主な症状としては、親知らずの周囲の痛み、歯ぐきの腫れ、そして口が大きく開けられなくなる「開口障害」などが挙げられます。抗生物質や洗浄によって一時的に症状が治まったとしても、体調がすぐれない時などに再発を繰り返すことが少なくありません。このような場合、根本的な原因である親知らずを抜歯することが、症状の再発を防ぐ最も効果的な方法とされています。

サイン4:歯並びやかみ合わせに悪影響を及ぼしている

親知らずが成長する際に生じる推力は、口全体の歯並びを乱す原因となることがあります。特に、前歯が少しずつガタついてきたり、以前よりも歯列が乱れてきたと感じたりする場合、親知らずが他の歯を前方へ押している可能性が考えられます。このような状況で、歯列全体に悪影響を及ぼすと判断される場合には、抜歯が検討されることになります。

また、親知らずが不適切な位置に生えていることで、上下の歯の噛み合わせがずれてしまい、顎関節症(あごの関節の痛みや機能障害)の原因となることもあります。矯正治療を検討されている方の場合、治療計画の一環として親知らずの抜歯が推奨されることも少なくありません。これは、矯正治療の効果を最大限に引き出し、後戻りを防ぐためにも重要な処置となります。

サイン5:親知らずの周りに嚢胞(のうほう)ができている

比較的まれなケースではありますが、親知らずの周囲に「嚢胞(のうほう)」が形成されることがあります。これは、顎の骨の中に埋まっている親知らずを包む袋が、病的に大きくなって液体や膿が溜まった状態を指します。

嚢胞は初期には自覚症状がほとんどなく、痛みを感じることも少ないため、歯科医院でのレントゲン検査によって偶然発見されることが一般的です。しかし、放置すると周囲の顎の骨を溶かしたり、隣接する歯に悪影響を与えたりするだけでなく、ごくまれに腫瘍化するリスクも指摘されています。そのため、嚢胞が発見された場合は、原因となっている親知らずごと摘出する手術が必要となります。早期発見のためにも、定期的な歯科検診が非常に重要です。

あなたの親知らずはどのタイプ?歯科医院で相談しよう

ここまで、抜歯せずに経過観察が可能な親知らずと、積極的に抜歯を検討すべき親知らずの具体的なケースを見てきました。しかし、ご自身の親知らずがどのタイプに当てはまるのかを正確に判断するには、インターネット上の情報だけでは不十分です。親知らずの状態は非常に個人差が大きく、見た目だけでは分からない複雑な問題が隠されていることもあります。

安易な自己判断は、トラブルを悪化させたり、適切な治療の開始を遅らせたりする危険性があります。最も安全で確実な方法は、やはり専門家である歯科医師に診てもらうことです。歯科医院では、外から見えない部分を含めて親知らずの状態を詳しく検査し、科学的な根拠に基づいて診断してくれます。次のセクションでは、歯科医院でどのような検査や診断が行われるのかを具体的にご紹介しますので、ぜひ受診の参考にしてください。

まずはレントゲンで正確な状態を把握

歯科医院での親知らずの診断において、最も重要となるのがレントゲン検査です。特に、口全体を一度に撮影できる「パノラマレントゲン」は、歯の生え方や顎の骨の状態を広範囲で把握するために不可欠な検査です。

レントゲン写真からは、歯ぐきの下に隠れている親知らずの位置、生えている角度、根の形や本数、そして下顎の神経(下歯槽神経)との距離など、肉眼では確認できない詳細な情報を得ることができます。これにより、歯科医師は親知らずが将来的にどのような問題を引き起こす可能性があるか、抜歯が必要な場合にどの程度の難易度が予想されるかなどを客観的なデータに基づいて判断します。この正確な情報が、適切な治療方針を決定するための第一歩となるのです。

歯科医師による診断で抜歯の必要性を判断

レントゲン検査で得られた情報に加え、実際にお口の中を直接診察する視診や、器具を使った検査を行います。さらに、患者さん自身が感じている痛みや違和感、これまでの病歴、そして治療に対する希望も丁寧にヒアリングします。これらの情報を総合的に評価した上で、歯科医師が最終的な診断を下します。

診断の際には、抜歯を選択した場合のメリットや、神経損傷などのリスク、また経過観察を選択した場合に考えられる将来的な問題点など、それぞれの選択肢の利点と欠点を詳しく説明してくれるでしょう。患者さん一人ひとりの状況に合わせて、最適な治療方針を提示し、納得した上で治療を選択できるようサポートしてくれます。疑問や不安があれば、遠慮せずに歯科医師に相談し、十分な説明を受けるようにしましょう。

親知らずの抜歯に関するよくある質問【Q&A】

親知らずの抜歯は、多くの方が「痛そう」「腫れそう」といった不安や疑問を抱く処置です。ここでは、抜歯を検討する際に特に気になる「痛み」「費用」「ダウンタイム」など、皆さんが抱きやすい具体的な疑問について、Q&A形式で詳しくお答えします。これから続く質問と回答を参考に、漠然とした不安を軽減し、より安心して歯科医院を受診できるよう、ぜひお役立てください。

Q. 抜歯は痛い?腫れる?ダウンタイムはどのくらい?

親知らずの抜歯で最も気になるのは、「処置中の痛み」や「処置後の腫れ」ではないでしょうか。まず、抜歯処置中は局所麻酔をしっかり行いますので、痛みを感じることはほとんどありません。麻酔が効いているか確認しながら慎重に進めますのでご安心ください。

処置後の痛みや腫れは、親知らずの生え方や状態によって個人差があります。特に、歯ぐきに埋まっていたり、斜めに生えていたりするような難しい抜歯の場合には、多少の痛みや腫れが生じることがあります。しかし、痛みに対しては痛み止めを処方しますので、指示通りに服用することで十分にコントロール可能です。腫れのピークは、一般的に抜歯後2〜3日目で、その後1週間ほどで徐々に落ち着いていきます。

ダウンタイムについても、抜歯の難易度によります。比較的簡単な抜歯であれば、翌日から通常通りお仕事や日常生活に戻れることが多いです。しかし、大きく歯ぐきを切開したり骨を削ったりするような難しい抜歯の場合には、念のため1〜2日程度は安静にすることをおすすめする場合があります。ご自身の状況に合わせて、歯科医師とよく相談し、無理のない計画を立てることが大切です。

Q. 抜歯にかかる費用や時間の目安は?

親知らずの抜歯にかかる時間は、親知らずの生え方によって大きく異なります。例えば、真っ直ぐに生えていて抜きやすいケースであれば15分程度で終わることもあります。一方で、歯ぐきに深く埋まっていたり、骨の中に横向きに生えていたりするような複雑なケースでは、1時間近くかかることも珍しくありません。

費用については、親知らずの抜歯は健康保険が適用される処置です。費用は抜歯の難易度によって異なり、単純な抜歯よりも、歯ぐきを切開したり骨を削ったりするような難しい抜歯(難抜歯)の方が高くなります。一般的には、保険適用3割負担で数千円から1万円前後が目安となることが多いでしょう。正確な費用については、抜歯前に歯科医院で具体的な説明を受け、見積もりを確認することをおすすめします。

Q. 抜歯後の食事や生活で気をつけることは?

抜歯後の回復を早め、トラブルを防ぐためには、いくつかの注意点があります。「食事」については、抜歯当日は麻酔が完全に切れるまで食事を控えてください。麻酔が効いている間に食事をすると、唇や頬を噛んでしまう恐れがあるためです。麻酔が切れた後は、抜歯した箇所に刺激を与えないよう、お粥やゼリー、スープ、柔らかく煮たうどんなど、やわらかくて刺激の少ないものを数日間選ぶようにしましょう。

「生活での注意点」としては、血行が良くなるような行動は避けることが大切です。具体的には、抜歯後2〜3日は、激しい運動や長時間の入浴、飲酒は控えてください。血行が良くなると、止血した部分から再び出血したり、腫れが強くなったりする原因になることがあります。

また、抜歯した穴にできた血の塊(血餅)は、傷口を保護し治癒を促す非常に重要なものです。この血餅が取れてしまうと、「ドライソケット」という激しい痛みを伴う状態になることがあります。そのため、抜歯後は、うがいのしすぎや、抜歯した箇所を舌や指で触るなどの行為は絶対に避けましょう。

まとめ:自己判断は禁物!親知らずの悩みは歯科医師に相談を

この記事では、抜歯が必要ない親知らずのケースと、抜歯を検討すべき親知らずのケースをそれぞれご紹介しました。親知らずの治療を考えるとき、ご自身の状況がどのタイプに当てはまるか、なんとなく判断できた方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、ご自身の親知らずの状態を正確に判断し、適切な治療方針を見極めるためには、専門家である歯科医師による精密な診断が不可欠です。インターネットの情報だけで自己判断することは大変危険であり、症状の悪化や、かえって抜歯が難しい状況を招いてしまう可能性もあります。親知らずに関する痛みや違和感、あるいは将来への不安をお持ちでしたら、一人で悩まずに、まずは歯科医院を受診して相談することが、安心と納得の治療への第一歩となるでしょう。

 

少しでも参考になれば幸いです。
本日も最後までお読みいただきありがとうございます。

 

監修者

志田 祐次郎 | Shida Yujiro
日本大学松戸歯学部卒業後、国保旭中央病院、医療法人恵潤会つるみ歯科・小絹つるみ歯科に勤務し、医療法人Belldent志田歯科の理事を務める。 学校法人広沢学園つくば歯科衛生士専門学校の講師を経て、絹の台歯科クリニック、いちファミリー歯科クリニックで勤務を重ね、2020年に「かなまち志田歯科」開院。  

【所属】

 

【略歴】

 

  金町駅/京成金町駅徒歩2分の歯医者・矯正歯科
かなまち志田歯科
住所:東京都葛飾区金町6-1-7 LCプレイス1階
TEL:03-5876-3443

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