歯周病で食べない方がいいものとは?悪化させない食事の基本
- 2026年5月2日
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葛飾区金町の歯医者・矯正歯科『かなまち志田歯科』です。
歯ぐきからの出血や腫れ、食事の際の違和感に悩まされていませんか。これらは歯周病のサインかもしれません。歯周病は、日々の食生活と密接に関わっているため、「何を食べるか」を見直すことが、ご自身の歯ぐきを守る第一歩となります。この記事では、歯周病の悪化につながる可能性のある食べ物や飲み物と、逆に歯ぐきの健康をサポートする食べ物を具体的にご紹介します。
今日から実践できる食生活のヒントを得ることで、歯周病の進行を食い止め、安心して食事を楽しめるようになるでしょう。もちろん、専門的な治療の重要性は言うまでもありませんが、まずはご自身でできる食事の見直しから始めてみませんか。日々の食事を意識することで、健康な口腔内環境を取り戻すきっかけになることを願っています。
なぜ食べ物が大切?歯周病と食事の知っておきたい関係
歯周病は、お口の中の歯周病菌によって引き起こされる感染症です。歯ぐきの炎症や出血、そして最終的には歯を支える骨が溶けてしまうこともあります。多くの方が「歯磨き」の重要性はご存じかと思いますが、実は毎日の食事が歯周病の進行に大きく影響することをご存じでしょうか。
食べ物と歯周病の関係には、主に二つの側面があります。一つ目は、食べ物に含まれる糖分が歯周病菌の格好のエサとなることです。歯周病菌は糖分を栄養源として増殖し、ネバネバとしたプラーク(歯垢)を形成します。このプラークが歯周病菌の温床となり、炎症をさらに悪化させてしまうのです。特に、口の中に糖分が長時間残るような食べ方や食品は、歯周病菌を活発にしてしまうため注意が必要です。
二つ目は、栄養バランスの偏りが体全体の抵抗力や免疫力を低下させることです。歯ぐきは体の組織の一部ですから、全身の健康状態が直接的に影響します。例えば、ビタミンやミネラルが不足した食生活を続けていると、歯ぐきの組織が弱くなったり、炎症を抑える働きが鈍くなったりします。結果として、一度炎症が起こると治りにくく、歯周病が進行しやすい状態になってしまうのです。このように、食生活は歯周病菌を増やす要因になるだけでなく、歯ぐき自身の抵抗力を左右する重要な要素でもあります。
歯周病が悪化する食事の2つの要因
歯周病を悪化させる食事の要因は、大きく分けて二つあります。一つは「歯周病菌を増やすこと」につながる食事です。これは、お口の中の細菌が繁殖しやすい環境を作り出し、歯ぐきの炎症を引き起こしたり悪化させたりします。もう一つは「体の抵抗力・免疫力を下げること」につながる食事です。これにより、歯ぐきが細菌と戦う力が弱まり、炎症が進行しやすくなってしまいます。
【要注意リスト】歯周病の悪化につながる食べ物・飲み物
歯周病の症状があるときや、これ以上悪化させたくないと考える方にとって、毎日の食生活はとても重要です。このセクションでは、歯周病の進行を早めてしまう可能性がある食べ物や飲み物を具体的にご紹介します。これらは「完全に禁止」するものではなく、「注意が必要」という視点で捉えていただければと思います。糖分が多く歯周病菌のエサとなるもの、歯に残りやすい粘着性の高いもの、歯ぐきを刺激するもの、口の中を酸性にするもの、そして体の免疫力を低下させる可能性があるものの5つのカテゴリーに分けて、それぞれがなぜ歯周病に良くないのかを簡潔に解説します。この情報が、ご自身の食生活を見直すきっかけとなれば幸いです。
① 糖分が多く、歯周病菌のエサになるもの
歯周病は、お口の中に潜む歯周病菌が原因で引き起こされる感染症です。この歯周病菌は、食べ物に含まれる糖分を主なエネルギー源として増殖し、プラーク(歯垢)を作り出します。そのため、糖分を多く含む食品を頻繁に摂取すると、歯周病菌の活動が活発になり、歯周病の悪化を招きやすくなります。
具体的には、チョコレート、ケーキ、クッキーといったお菓子類、菓子パン、そして清涼飲料水、ジュース、スポーツドリンクなどが挙げられます。特に液体状の糖分は、お口の中に長時間とどまりやすいため注意が必要です。また、ダラダラと時間をかけて食べる習慣も、お口の中が常に糖分にさらされる状態となり、歯周病菌にとっては好都合な環境を作り出してしまうため、控えるようにしましょう。
② 歯に残りやすい粘着性の高いもの
歯や歯のすき間に長時間残りやすい、粘着性の高い食べ物も歯周病を悪化させる一因となります。これらの食品は、口の中の糖分を長く留めることになり、歯周病菌が繁殖しやすい環境を作り出してしまいます。特に歯ぐきが下がって歯根が露出している場合や、歯並びが複雑な部分では、食べかすが残りやすく注意が必要です。
具体的には、パンやクッキー、ビスケットなどの粉っぽいもの、キャラメルや飴、ドライフルーツなどが挙げられます。これらの食品が歯に付着すると、唾液の自浄作用だけでは洗い流されにくく、プラークの形成を促進します。だらだらと時間をかけて食べ続ける習慣は、お口の中の糖濃度が高い状態を長時間維持してしまうため、間食の仕方や食べ方に工夫が必要です。
③ 歯ぐきを直接傷つける・刺激するもの
すでに炎症を起こして弱っている歯ぐきは、健康な状態に比べて非常にデリケートです。そのため、物理的または化学的な刺激を与える食べ物は、歯ぐきの状態をさらに悪化させ、出血や痛みを増大させる可能性があります。歯周病が進行している場合は、これらの食品を一時的に避けることをおすすめします。
物理的な刺激としては、せんべいやナッツ類のように硬くて鋭利な食べ物が挙げられます。これらは、噛む際に歯ぐきに直接当たり、傷つけてしまうことがあります。また、化学的な刺激としては、香辛料を多く使った極端に辛い料理や、熱すぎる食べ物が該当します。これらの刺激は、弱った歯ぐきの炎症を悪化させ、不快な症状を引き起こすことがあります。ただし、ナッツ類などは栄養価も高いため、症状が落ち着いているときには砕いて食べるなど工夫して摂ることも検討しましょう。
④ 口内を酸性に傾け、歯を溶かしやすくするもの
お口の中が酸性に傾くと、歯のエナメル質が溶け出す「酸蝕歯(さんしょくし)」のリスクが高まります。歯の表面がもろくなると、細菌が付着しやすくなり、結果として歯周病の進行にもつながる可能性があります。健康に良いイメージのある食品でも、摂取の仕方によっては注意が必要な場合があります。
具体的には、柑橘類(レモン、オレンジなど)、酢の物、炭酸飲料、スポーツドリンクなどが挙げられます。これらはpH値が低く、お口の中を酸性に傾けます。特に炭酸飲料やスポーツドリンクを頻繁に飲む習慣がある方は、歯が酸にさらされる時間が長くなりやすい傾向にあります。酸性の飲食物を摂る際は、ダラダラ飲みを避け、ストローを使うなどの工夫や、摂取後に水でうがいをして口内を中性に戻すことを心がけましょう。
⑤ 体の免疫力を低下させる可能性があるもの
歯周病は、歯周病菌によって引き起こされる感染症ですが、体の免疫力が低下していると、歯ぐきの炎症が治りにくくなり、歯周病の進行を早めてしまうことがあります。食生活の乱れは全身の健康状態に影響し、間接的に歯周病を悪化させる原因となるため注意が必要です。
栄養バランスの偏った食事、例えばインスタント食品や加工食品ばかりの食生活は、ビタミンやミネラルなど、体の免疫機能を維持するために必要な栄養素の不足を招きます。また、過度なアルコール摂取も肝臓に負担をかけ、全身の免疫力を低下させる可能性があります。これらの食生活を続けることは、歯ぐきの抵抗力を弱め、炎症を長引かせることにつながります。
食生活だけでなく、喫煙や睡眠不足といった不規則な生活習慣も、体の免疫力を著しく低下させ、歯周病のリスクを高めます。歯周病対策として、バランスの取れた食事を心がけ、十分な休息を取るなど、全身の健康を意識した生活を送ることが大切です。
避けるだけじゃない!歯周病予防をサポートする食べ物と栄養素
これまで歯周病の悪化につながる食べ物について解説してきましたが、食事の改善は「避けること」だけではありません。歯ぐきの健康を体の中から積極的にサポートし、歯周病の予防に役立つ食べ物もたくさんあります。
このセクションでは、体の免疫力を高めたり、歯ぐきの組織を強くしたりする栄養素に着目し、日々の食事にぜひ取り入れていただきたい食品をご紹介します。ビタミン、ミネラル、食物繊維、そして良質な脂質やポリフェノールといった栄養素が、それぞれどのような役割を果たし、どのように歯周病からお口を守ってくれるのかを具体的に見ていきましょう。バランスの取れた食事は、全身の健康だけでなく、お口の健康にとっても非常に重要であることを意識してみてください。
歯ぐきの健康を保つ「ビタミン類」
歯ぐきの健康を維持し、抵抗力を高める上でビタミン類は欠かせません。特に重要なのが「ビタミンC」です。ビタミンCは、歯ぐきの主要な構成成分であるコラーゲンというタンパク質の生成を助ける働きがあります。コラーゲンがしっかり作られることで、歯ぐきの組織が強くなり、歯周病菌による炎症や出血が起こりにくくなります。また、ビタミンCには強力な抗酸化作用があり、炎症によって発生する活性酸素から歯ぐきを守る効果も期待できます。
ビタミンCを豊富に含む食品としては、パプリカ、ブロッコリー、キウイフルーツ、いちご、柑橘類などが挙げられます。また、粘膜を健康に保つ「ビタミンA(βカロテン)」や、血行を促進し、抗酸化作用を持つ「ビタミンE」も歯ぐきの健康維持に役立ちます。ビタミンAは緑黄色野菜(にんじん、ほうれん草など)に、ビタミンEはナッツ類やアボカドなどに多く含まれていますので、これらをバランス良く食事に取り入れることを意識してみましょう。
歯を支える骨を強くする「ミネラル類」
歯周病が進行すると、歯を支える土台である歯槽骨(しそうこつ)が破壊されてしまいます。この歯槽骨を丈夫に保つために不可欠なのがミネラル類です。中でも「カルシウム」は骨の主要な構成成分であり、歯槽骨の健康維持に中心的な役割を担います。カルシウムが不足すると、骨密度が低下し、歯槽骨がもろくなりやすくなるため、歯周病の進行を加速させるリスクがあると考えられています。
また、カルシウムの吸収を助ける「ビタミンD」も非常に重要です。ビタミンDが不足すると、せっかく摂取したカルシウムが体内で十分に利用されません。カルシウムを多く含む食品には、牛乳、ヨーグルト、チーズなどの乳製品、小魚、豆腐、小松菜、チンゲン菜などがあります。ビタミンDは、きのこ類(きくらげ、しいたけなど)や魚類(鮭、マグロなど)に豊富です。これらの食品を組み合わせて摂取することで、カルシウムの吸収効率を高め、より丈夫な歯と歯槽骨の維持につながります。
お口の中をきれいにする「食物繊維」
食物繊維が豊富な食品は、お口の中をきれいにする「セルフクリーニング効果」が期待できます。野菜、きのこ、海藻類といった食物繊維が多い食品は、よく噛むことで歯の表面に付着した食べかすやプラーク(歯垢)を物理的にこすり落とす手助けをしてくれます。まるで天然の歯ブラシのように、お口の中をきれいにしてくれるのです。
さらに、よく噛む習慣は唾液の分泌を促進します。唾液には、食べかすを洗い流す「自浄作用」、細菌の増殖を抑える「抗菌作用」、そして初期の虫歯を修復する「再石灰化作用」など、お口の健康を守るための大切な働きがたくさんあります。食事の際には、急いで飲み込まずに一口あたり30回を目標にゆっくりと噛むことを意識してみてください。噛みごたえのある根菜類や、大きめに切った野菜などを食卓に取り入れるのもおすすめです。
炎症を抑える働きが期待できる「良質な脂質・ポリフェノール」
体の炎症反応を和らげる効果が期待できる栄養素として、良質な脂質とポリフェノールが注目されています。良質な脂質の一つである「オメガ3脂肪酸」は、サバ、イワシ、サンマなどの青魚に豊富に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)が代表的です。これらの成分は、体内で炎症を引き起こす物質の生成を抑える働きがあり、歯周病の炎症を軽減することに役立つと考えられています。
また、植物が持つ色素や苦味の成分である「ポリフェノール」にも、抗酸化作用や抗炎症作用が期待されています。特に、緑茶に含まれる「カテキン」は、歯周病菌の増殖を抑えたり、歯周病による炎症を和らげたりする効果があることが研究で示されています。さらに、ヨーグルトに含まれる「乳酸菌」は、お口の中の細菌バランスを整え、歯周病菌が優位になるのを防ぐ働きが期待できます。
これらの良質な脂質やポリフェノールを含む食品を日常的に摂取することで、体の内側から歯周病の予防や症状の改善をサポートできるでしょう。バランスの取れた食生活を通じて、炎症に負けない強い体づくりを目指してみてください。
今日からできる!歯周病を悪化させないための5つの食習慣
これまで歯周病の悪化につながる食べ物や、逆に歯ぐきの健康をサポートする栄養素について詳しく見てきました。しかし、知識だけでは何も始まりません。ここからは、忙しい日々の中でも無理なく実践できる、歯周病を悪化させないための具体的な食習慣を5つご紹介します。特別な準備は必要ありません。少し意識を変えるだけで、口腔内の健康は大きく変わります。「これなら私にもできそう」と感じていただけるような、今日から始められるヒントがきっと見つかるでしょう。
1. よく噛んで唾液の分泌を促す
食事の際に「よく噛む」ことは、歯周病予防において非常に大切な習慣です。噛む回数が増えることで、唾液の分泌が促進されます。この唾液には、口腔内の健康を守るための素晴らしい働きがたくさんあります。まず、「自浄作用」として、食べかすを洗い流し、細菌の増殖を抑えます。次に、「抗菌作用」として、リゾチームやラクトフェリンといった成分が細菌の活動を抑制します。さらに、「再石灰化作用」により、初期の虫歯で溶け出したエナメル質を修復する手助けもしてくれます。
一口あたり30回を目安に噛むことを意識してみてください。慣れないうちは、少し大きめに切った野菜や、ごぼうなどの食物繊維が豊富な根菜類を食事に取り入れると、自然と噛む回数が増え、唾液の分泌を促すことができます。意識的に噛むことで、歯周病菌が繁殖しにくい清潔な口内環境を保ちましょう。
2. 間食の回数と時間を決めてダラダラ食べを防ぐ
間食は、歯周病のリスクを高める大きな要因の一つです。食べ物が口に入るたびに、口腔内は酸性に傾き、歯周病菌が活発になる環境が作られます。特に危険なのは、時間を決めずにだらだらと食べ続ける「ダラダラ食べ」です。口内が酸性になる時間が長くなると、歯周病菌がさらに増殖しやすくなり、歯ぐきの炎症を悪化させることにつながります。
間食をする際は、まず回数を減らし、時間を決めて摂るように心がけましょう。また、選ぶものも大切です。糖分の多いお菓子や清涼飲料水は避け、チーズやヨーグルト、糖分の少ないナッツ類など、歯に優しいものを選ぶと良いでしょう。そして、間食をした後は、できるだけ早くうがいをしたり、歯磨きをしたりして、口内を清潔な状態に戻すことが大切です。
3. バランスの取れた食事を意識する
歯周病の予防には、特定の食品を避けるだけでなく、体全体の健康を保つためのバランスの取れた食事が欠かせません。主食、主菜、副菜を揃えることを意識し、様々な栄養素を過不足なく摂取しましょう。特に、体の抵抗力や免疫力を維持するためには、ビタミンやミネラル、タンパク質など、多岐にわたる栄養素が必要です。免疫力が低下すると、歯ぐきの炎症が治りにくくなり、歯周病が悪化しやすくなります。
これまでご紹介したように、歯ぐきの健康にはビタミンCやA、歯を支える骨にはカルシウムやビタミンD、そして口腔内の清掃には食物繊維が役立ちます。これらの栄養素を意識しつつ、偏りのない食事を心がけることで、体の中から歯周病に負けない強い体を作り、健康な口腔内環境を維持することにつながります。
4. 食後は歯磨きやうがいで口内をリセットする
食事によって歯に付着した食べかすやプラークは、歯周病菌の温床となります。そのため、食後の適切なケアは、歯周病の進行を防ぐ上で非常に重要です。基本となるのは、毎食後の丁寧な歯磨きです。歯と歯ぐきの境目を意識し、軽い力で優しく磨くことで、プラークを効果的に除去できます。歯ブラシだけでは届きにくい歯間部は、デンタルフロスや歯間ブラシを併用するとさらに効果的です。
仕事中などで食後にすぐに歯磨きができない場合は、水やお茶でうがいをするだけでも効果があります。うがいをすることで、食べかすを洗い流し、口内が酸性に傾くのをある程度防ぐことが期待できます。手軽にできる習慣として、食後のうがいを取り入れ、口内を常に清潔な状態に保つよう心がけましょう。
5. こまめな水分補給で口の乾燥を防ぐ
口の乾燥、いわゆるドライマウスは、歯周病のリスクを高める要因の一つです。唾液には、食べかすを洗い流す自浄作用、細菌の増殖を抑える抗菌作用、そして歯を保護する再石灰化作用など、口の健康を守るための大切な役割があります。唾液の分泌が減り、口の中が乾燥すると、これらの作用が弱まり、細菌が繁殖しやすい環境になってしまうのです。
糖分を含まない水やお茶をこまめに飲むことで、口の中を潤し、清潔な状態を保ちましょう。特に、服用している薬の副作用や加齢、ストレスなどによって口が乾きやすい方は、意識的な水分補給を心がけることが大切です。乾燥を防ぎ、唾液の力を最大限に活かすことで、歯周病菌から歯と歯ぐきを守ることにつながります。
食事改善とあわせて行いたい歯周病の根本対策
これまで、歯周病の悪化を防ぐための食生活の工夫について詳しく見てきました。しかし、食事の改善は歯周病ケアの重要な一部ではあるものの、それだけで根本的な解決には至らないという点を理解しておくことが非常に大切です。歯周病は、食習慣だけでなく、日々の丁寧なセルフケアと、歯科医院での専門的な治療、そして定期的なメンテナンスという「両輪」が揃って初めて、その進行を食い止め、健康な状態を維持できます。自己流の食事療法だけで満足せず、プロフェッショナルな視点から適切なケアを受けることが、歯周病を克服し、健康な口腔内を取り戻すための確実な一歩となります。
毎日の丁寧なセルフケアが基本の「き」
歯周病対策の基本中の基本は、やはり毎日の丁寧な歯磨きです。歯周病の原因となるプラーク(歯垢)を効果的に除去するには、正しいブラッシング方法を身につけることが欠かせません。歯と歯ぐきの境目に歯ブラシの毛先を当て、軽い力で小刻みに動かす「バス法」などが推奨されています。強い力でゴシゴシ磨くと歯ぐきを傷つけてしまうため、優しく、しかし確実に汚れを落とすことを意識しましょう。
また、歯ブラシだけでは届きにくい歯と歯の間や、歯周ポケットのプラークは、デンタルフロスや歯間ブラシを併用することでしっかりと除去できます。これらの補助清掃用具を正しく使うことで、歯周病菌の温床となるプラークを徹底的に取り除き、歯周病の進行を食い止めることができます。食事改善と並行して、日々のプラークコントロールを徹底することが、健康な歯ぐきを維持するために不可欠です。
根本的な治療は歯科医院のプロフェッショナルケアで
日々のセルフケアでは、どうしても除去できない汚れがあります。それが「歯石」です。歯石はプラークが石灰化したもので、表面がザラザラしているため、さらにプラークが付着しやすくなり、歯周病菌の温床となってしまいます。この歯石は、歯ブラシでは取り除くことができず、歯科医院で専門的な器具を使って除去する「スケーリング」が必要です。
また、歯周病が進行して歯周ポケットが深くなってしまった場合や、歯槽骨(歯を支える骨)の破壊が進んでしまった場合には、スケーリングだけでは不十分で、歯周外科治療など、より専門的な治療が必要となることもあります。これらの治療は、歯科医師や歯科衛生士といった専門家でなければ行うことができません。
歯周病は、初期の段階では自覚症状がほとんどなく、気づかないうちに進行しているケースが非常に多い病気です。そのため、「歯ぐきからの出血や腫れが気になる」「硬いものが噛みにくい」といった症状がある方はもちろん、何も症状がない方も、定期的に歯科医院を受診し、検診とメンテナンスを受けることが極めて重要です。歯科医院では、お口の状態を詳しく診察し、一人ひとりに合った治療計画の提案や、正しいブラッシング指導、そして定期的なクリーニングを行ってくれます。専門家による継続的なケアこそが、歯周病の進行を食い止め、健康な口腔内を維持するための根本的な解決策となるのです。症状を放置せず、ぜひ一度歯科医院で相談してみてください。
歯周病の食事に関するよくある質問
ここでは、歯周病と食事に関するよくいただく疑問にお答えします。日々の食事に関する具体的な悩みや不安を解消する一助となれば幸いです。
Q. 歯周病の治療後は何を食べたらいいですか?
スケーリングや外科処置といった歯周病の治療を受けた直後は、歯ぐきが非常に敏感になっています。そのため、刺激の少ない柔らかい食べ物を選ぶことが大切です。具体的には、おかゆ、スープ、柔らかく煮たうどん、ヨーグルト、豆腐などが適しています。
治療後の歯ぐきはデリケートな状態ですので、香辛料を多く使った辛いものや、極端に熱すぎるもの、冷たすぎるものは避けるようにしましょう。これらは歯ぐきにさらなる刺激を与え、痛みや出血を悪化させる可能性があります。また、治療箇所に負担をかけないよう、硬いものや粘着性の高い食べ物も控えてください。最も重要なのは、治療を担当した歯科医師や歯科衛生士からの具体的な食事指導に必ず従うことです。個々の治療内容や回復状況に合わせて、適切なアドバイスをもらうようにしてください。
Q. 食事の改善だけで歯周病は治りますか?
残念ながら、食事の改善だけで歯周病が完治することはありません。食事の改善は、歯周病の進行を抑えたり、歯ぐきの健康をサポートしたりする上で非常に重要な「補助的な役割」を果たすものだとご理解ください。
歯周病の主な原因は、お口の中に潜む歯周病菌が作り出すプラーク(歯垢)と、それが石灰化した歯石です。これらのプラークや歯石を根本的に取り除くには、日々の丁寧な歯磨きといったセルフケアに加えて、歯科医院で行われる専門的な治療が不可欠です。歯科医院では、専用の器具を使って歯石を除去するスケーリングや、歯周ポケットの奥深くを清掃するルートプレーニング、さらには進行した歯周病に対して外科的な処置が行われることもあります。食事の見直しは、これらの専門的な治療の効果を高め、再発を防ぐための大切な要素ではありますが、それだけで歯周病が治るわけではないことを心に留めておいてください。
まとめ:日々の食事を見直して、健康な歯と歯ぐきを目指そう
この記事では、歯周病の進行を食い止め、健康な歯と歯ぐきを維持するために、どのような食べ物を避け、どのような食べ物を積極的に摂るべきかをご紹介しました。歯周病菌のエサとなる糖分が多く粘着性の高い食品はできるだけ控え、代わりにビタミンやミネラル、食物繊維が豊富なバランスの良い食事を心がけることが大切です。特に、歯ぐきの健康を保つビタミンCや、歯を支える骨を強くするカルシウム、お口の中をきれいにする食物繊維などは、日々の食生活で意識して取り入れたい栄養素です。
しかし、食事改善はあくまで歯周病ケアの一部に過ぎません。日々の丁寧な歯磨きによるプラークコントロールが基本であり、歯磨きだけでは取り除けない歯石の除去や、より専門的な治療は歯科医院でのプロフェッショナルケアが不可欠です。セルフケアとプロフェッショナルケアは、歯周病の進行を止めるための車の両輪とも言えるでしょう。
歯周病のサインに気づいた今こそ、食生活を見直す絶好の機会です。この記事で得た知識を参考に、今日から実践できることから始めてみませんか。そして、食事を楽しみながら健康な口腔内を維持するためにも、かかりつけの歯科医師や歯科衛生士に定期的に相談し、ご自身の状態に合わせたアドバイスを受けることを強くおすすめします。
少しでも参考になれば幸いです。
本日も最後までお読みいただきありがとうございます。
監修者
志田 祐次郎 | Shida Yujiro
日本大学松戸歯学部卒業後、国保旭中央病院、医療法人恵潤会つるみ歯科・小絹つるみ歯科に勤務し、医療法人Belldent志田歯科の理事を務める。 学校法人広沢学園つくば歯科衛生士専門学校の講師を経て、絹の台歯科クリニック、いちファミリー歯科クリニックで勤務を重ね、2020年に「かなまち志田歯科」開院。
【所属】
【略歴】
- 日本大学松戸歯学部 卒業
- 国保旭中央病院 前期・後期研修
- 医療法人恵潤会つるみ歯科・小絹つるみ歯科 勤務
- 医療法人Belledent志田歯科 理事
- 学校法人広沢学園つくば歯科衛生士専門学校 講師
- 絹の台歯科クリニック 常勤勤務
- いちファミリー歯科クリニック 非常勤
金町駅/京成金町駅徒歩2分の歯医者・矯正歯科
『かなまち志田歯科』
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