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医療コラム

歯ぎしり・食いしばりで顎が痛い?マウスピースの効果と正しい選び方|金町駅徒歩2分の歯医者・矯正歯科「かなまち志田歯科」平日19時/土曜18時まで診療の総合歯科医

歯ぎしり・食いしばりで顎が痛い?マウスピースの効果と正しい選び方

歯ぎしり・食いしばりで顎が痛い?マウスピースの効果と正しい選び方

葛飾区金町の歯医者・矯正歯科『かなまち志田歯科』です。

朝目覚めると顎がだるく痛い、日中も無意識のうちに歯を強く食いしばっている気がする、といった経験はありませんか?もしかしたら、その原因は「歯ぎしり」や「食いしばり」といったブラキシズムかもしれません。これらの習慣は、単なる癖だと軽視されがちですが、放置すると歯や顎だけでなく、全身にまで深刻な影響を及ぼすことがあります。

この記事では、ご自身の歯ぎしり・食いしばりの有無を簡単にチェックする方法から、放置した場合のリスク、そして多くの歯科医院で推奨されているマウスピース(ナイトガード)の効果や費用、さらにはご自宅でできるセルフケアまで、幅広くご紹介いたします。快適な毎日を取り戻すための一歩を、ぜひここから始めてみてください。

その顎の痛み、歯ぎしり・食いしばりが原因かも?簡単セルフチェック

朝目覚めたときに顎がだるい、口を開けるとカクカクと音がする、といった経験はありませんか?もしかしたら、その原因は睡眠中に無意識に行われている歯ぎしりや食いしばりかもしれません。歯ぎしりや食いしばりは、自分ではなかなか気づきにくいものです。しかし、放置しておくと、歯や顎だけでなく、全身の健康にも深刻な影響を及ぼす可能性があります。

このセクションでは、ご自身の顎の痛みが歯ぎしりや食いしばりによるものなのかを判断するための簡単なセルフチェック項目をご紹介します。自覚症状がない方でも、これから挙げるサインに当てはまるものがないか、ぜひ一度確認してみてください。ご自身の状態を客観的に見つめ直すことで、適切な対策への第一歩を踏み出せます。

こんなサインはありませんか?

ご自身の顎の痛みや不調が歯ぎしり・食いしばりによるものかを確認するために、以下のサインに当てはまるものがないかチェックしてみましょう。

・朝、顎やこめかみに痛みや疲労感がある

・歯がすり減ったり、欠けたりしている

・頬の内側や舌に歯の跡がついている

・知覚過敏の症状が出てきた

・肩こりや頭痛が慢性化している

・詰め物や被せ物が頻繁に取れる

・家族やパートナーから歯ぎしりを指摘された

これらのサインに一つでも当てはまる場合、睡眠中や日中に歯ぎしりや食いしばりを行っている可能性が高いと考えられます。特に、就寝中の歯ぎしりは無意識の行動であるため、ご自身では気づきにくいことがほとんどです。そのため、ご家族やパートナーからの指摘は重要な手がかりとなります。もし複数の項目に心当たりがあるようでしたら、一度歯科医院を受診し、専門家による診断を受けることを強くおすすめします。

歯ぎしり・食いしばりとは?3つのタイプと原因

朝起きたときの顎の痛みや、無意識のうちに歯を強く噛みしめている感覚は、もしかしたら「歯ぎしり・食いしばり」が原因かもしれません。歯科医療では、これらを総称して「ブラキシズム」と呼び、睡眠中や日中に本人の意識がないまま、歯をこすり合わせたり、強く噛みしめたりする行為全般を指します。

このセクションでは、歯ぎしり・食いしばりの具体的な種類とその引き金となる主な原因について、詳しく掘り下げて解説していきます。ご自身の症状と照らし合わせながら読み進めてみてください。

歯ぎしり・食いしばりの種類

歯ぎしり・食いしばりには、大きく分けて3つのタイプがあります。

1. グライディング: これは一般的に「歯ぎしり」として認識されているもので、上下の歯を横方向に強くこすり合わせる動作です。ギリギリ、ゴリゴリといった不快な音を伴うことが多く、家族やパートナーから指摘されて初めて自覚するケースも少なくありません。歯が全体的にすり減る原因となります。

2. クレンチング: いわゆる「食いしばり」と呼ばれるタイプで、上下の歯を強く噛みしめたまま、ほとんど動かさない動作を指します。グライディングとは異なり、音を伴わないため、自分では気づきにくいのが特徴です。日中に集中している時やストレスを感じている時に無意識に行われていることが多く、歯や顎関節に大きな負担をかけます。

3. タッピング: 上下の歯をカチカチと小刻みに噛み合わせる動作です。これは稀なケースとされていますが、歯や顎への衝撃は無視できません。3つのタイプの中でも、特にクレンチングは自覚しにくく、日中にも起こりやすいことから、放置されがちな傾向にあります。

歯ぎしり・食いしばりが起こる主な原因

歯ぎしり・食いしばりの主な原因として最も大きく影響すると考えられているのが「ストレス」です。現代社会において、仕事や人間関係、精神的な緊張などが積み重なると、睡眠の質が低下し、無意識のうちに顎周りの筋肉が緊張しやすくなります。この緊張が、就寝中の歯ぎしりや日中の食いしばりにつながると考えられています。

その他にも、噛み合わせの不具合が原因となることがあります。たとえば、治療済みの詰め物や被せ物の高さが合っていなかったり、特定の歯に力が集中したりすることで、バランスを取ろうとして歯ぎしりや食いしばりを引き起こす場合があります。また、パソコン作業や運転中など、何かに集中している際に無意識に歯を食いしばってしまうといった癖も原因の一つとなり得ます。

ただし、歯ぎしり・食いしばりのメカニズムは複雑であり、その原因はまだ完全には解明されていません。複数の要因が絡み合って発生することも多いため、ご自身で判断せずに歯科医院で専門的な診断を受けることが大切です。

放置は危険!歯ぎしり・食いしばりが引き起こす深刻なリスク

朝起きたときの顎の痛みや疲労感、これは単なる一時的な症状だと軽視していませんか。歯ぎしりや食いしばり(ブラキシズム)は、気づかないうちに歯や顎に大きな負担をかけ、放置するとさまざまな深刻なリスクを引き起こす可能性があります。単なる癖だと思われがちですが、実際には歯の破損から顎関節症、さらには全身の不調にまで発展することがあります。

このセクションでは、歯ぎしり・食いしばりを放置することで起こりうる具体的な問題について詳しく解説していきます。お口の中だけでなく、身体全体に影響を及ぼす可能性を知り、早期に適切な対策を講じることの重要性をご理解いただければ幸いです。

歯が削れる・割れる、知覚過敏になる

歯ぎしりや食いしばりは、想像以上に強い力が歯にかかる行為です。就寝中には自分の体重以上の力が歯に加わるとも言われており、それが毎日、長期間続くことで歯には多大なダメージが蓄積されていきます。まず起こりやすいのが、歯の表面を覆う硬いエナメル質が少しずつ削れてしまうことです。

エナメル質が削れてその下にある象牙質が露出すると、冷たいものや熱いものが歯にしみる「知覚過敏」の症状が現れやすくなります。さらに、強い力が集中的にかかり続けると、歯に目に見えないヒビが入ったり、最悪の場合は歯が割れてしまったりすることもあります。歯が割れてしまうと、抜歯が必要になるケースも少なくありません。こうした深刻な事態を避けるためにも、早期の対策が非常に重要になります。

顎関節症を発症し、口が開けにくくなる

歯ぎしりや食いしばりは、顎の関節にも大きな負担をかけ続けます。顎関節は食事や会話で常に動いているデリケートな関節であり、過度な力が加わり続けることで「顎関節症」を発症するリスクが高まるのです。

顎関節症になると、「口を開け閉めする時にカクカク、ジャリジャリといった音が鳴る」「口を大きく開けられない」「顎の周りやこめかみが痛む」といったさまざまな症状が現れます。これらの症状は、日常生活における食事や会話にも支障をきたし、生活の質を大きく低下させてしまうことがあります。朝起きたときに顎に違和感がある場合は、顎関節症の初期サインかもしれませんので注意が必要です。

頭痛・肩こりなど全身の不調につながる

歯ぎしりや食いしばりが引き起こす影響は、お口の中や顎関節だけにとどまりません。顎の周りには、食べ物を噛むときに使う「咬筋(こうきん)」や「側頭筋(そくとうきん)」といった筋肉があり、これらの筋肉が就寝中もずっと緊張状態にあると、首や肩の筋肉にも連鎖的に影響を及ぼします。

その結果、慢性的な頭痛、特に「緊張型頭痛」と呼ばれる種類の頭痛や、肩こり、首の痛みといった症状に悩まされることがあります。原因がはっきりしない体調不良に悩んでいる方は、もしかしたら歯ぎしりや食いしばりがその一因になっているかもしれません。全身の健康を考える上でも、この無意識の癖を放置しないことが大切です。

エラが張るなど顔の印象が変わることも

歯ぎしりや食いしばりは、美容面にも影響を与えることがあります。顎の筋肉、特に咬筋は、食いしばるたびにまるでトレーニングをしているかのように常に使われている状態になります。そのため、咬筋が肥大化し、「エラが張った」ような顔の輪郭になってしまう可能性があるのです。

顔の印象が変わってしまうと、ご自身の見た目に対する満足度も低下してしまうかもしれません。健康的であることはもちろんですが、ご自身の顔の印象にも関わることですので、歯ぎしりや食いしばりの対策をすることは、見た目を保つ上でも有効な手段の一つと言えるでしょう。

歯科医院で作るマウスピース(ナイトガード)の効果とは?

朝の顎の痛みや歯の不調は、就寝中の歯ぎしりや食いしばり(ブラキシズム)が原因かもしれません。これらを放置すると、歯の損傷や顎関節症、さらには全身の不調へとつながるリスクがあります。そのような方にとって、歯科医院で作成するオーダーメイドのマウスピース(ナイトガード)は、これらの症状を緩和し、歯と顎を強力に保護する重要な役割を果たします。

このセクションでは、ナイトガードがどのような効果をもたらすのか、その具体的なメカニズムとともに詳しく解説していきます。歯のすり減りを防ぐだけでなく、顎や筋肉への負担を軽減し、結果として睡眠の質の向上にもつながるマウスピースの効果を知ることで、快適な毎日を取り戻すための一歩を踏み出せるでしょう。

効果1:歯のすり減りや破損を防ぐ

歯科医院で作るマウスピース(ナイトガード)の最も基本的な役割は、歯の保護です。就寝中にマウスピースを装着することで、上下の歯が直接ぶつかり合ったり、こすれ合ったりするのを防ぎます。歯ぎしりや食いしばりには、自分の体重以上の非常に強い力がかかるため、歯の表面のエナメル質は徐々に削れてしまいます。マウスピースは、この強力な力から歯を守る物理的なクッションとして機能します。

その結果、歯のすり減りを防ぎ、ひび割れや欠けといった深刻なダメージから歯を守ることができます。これにより、歯の寿命を延ばし、将来的な高額な治療費の負担を軽減することにもつながるのです。

効果2:顎や筋肉への負担を軽減し、痛みを和らげる

マウスピースは、歯を保護するだけでなく、顎関節やその周辺の筋肉にかかる負担を大幅に軽減する効果も期待できます。歯科医院で作成されるオーダーメイドのマウスピースは、お口の型を精密に採取して作られるため、装着することで噛み合わせのバランスが整えられます。これにより、顎関節が安定した位置に保たれ、顎周りの筋肉(咬筋や側頭筋など)の過度な緊張が和らぎます。

筋肉の緊張が緩和されることで、朝起きたときの顎の痛みやこわばり、口の開けにくさといった症状が軽減されます。さらに、顎周りの筋肉の緊張は、首や肩の筋肉にも影響を及ぼし、慢性的な頭痛や肩こりの原因となることがありますが、マウスピースの使用によってこれらの関連症状も和らぐことが期待できるのです。

効果3:睡眠の質向上をサポートする

マウスピースは、直接的に歯ぎしりや食いしばりを完全に止めるものではありませんが、それによって引き起こされる不快な症状を緩和することで、結果的に睡眠の質の向上をサポートします。歯ぎしりによる顎の痛みや歯の違和感が軽減されると、睡眠中にこれらの不調で目が覚めることが減り、より深くリラックスした状態で眠れるようになります。

睡眠の質が向上することは、日中のストレス軽減にもつながり、歯ぎしりの根本的な原因である精神的な緊張を和らげる相乗効果も期待できます。快適な睡眠は、心身の健康を保つ上で非常に重要であり、マウスピースはその快適な睡眠環境を整えるための強力な味方となるでしょう。

【後悔する前に】市販のマウスピースをおすすめしない理由

手軽に購入できる市販のマウスピースは、顎の痛みや歯ぎしりの症状に悩む方にとって魅力的に映るかもしれません。しかし、専門知識のないまま市販品に頼ることは、ご自身の歯や顎に大きなリスクをもたらす可能性があります。安易な自己判断で市販品を使用することは、かえって症状を悪化させたり、新たな問題を引き起こしたりする危険性があるため、十分な注意が必要です。

このセクションでは、市販のマウスピースをおすすめしない具体的な理由を詳しく解説いたします。歯科医院で作成するオーダーメイドのマウスピースとの違いや、ご自身に合わないマウスピースを使用することのデメリットをご理解いただき、後悔のない選択をしていただくための一助となれば幸いです。

噛み合わせが悪化する恐れがある

市販のマウスピースは、多くの場合、柔らかい素材でできており、ご自身で熱湯に浸して形を合わせるタイプが主流です。しかし、この方法では精密な型取りが難しく、ご自身の歯列や噛み合わせに完全にフィットさせることは非常に困難です。その結果、マウスピースの一部に不自然な力が集中したり、顎の位置がずれた状態で噛み合わせたりしてしまう危険性があります。

このような状態が続くと、特定の歯だけに過度な負担がかかり、噛み合わせのバランスを崩してしまうことがあります。噛み合わせが悪化すると、歯並び全体に影響が出るだけでなく、顎関節症をさらに悪化させたり、新たな顎の痛みや不調を引き起こしたりする可能性もあるため、注意が必要です。

フィット感が悪く本来の効果を得にくい

市販のマウスピースは、個人の口腔内に合わせて作られていないため、フィット感が悪いという大きな問題があります。就寝中に装着したマウスピースが外れてしまったり、違和感が強すぎて途中で装着を諦めてしまったりするケースも少なくありません。これでは、歯ぎしりや食いしばりから歯や顎を守るという本来の目的を達成することはできません。

また、フィット感が悪いと、歯全体に均等に力が分散されず、一部の歯にだけ強い力がかかり続けてしまうことがあります。これにより、歯を守るどころか、かえって歯や歯茎にダメージを与えてしまう可能性も否定できません。歯科医院では、患者様一人ひとりの歯型を精密に採取し、オーダーメイドでマウスピースを作成するため、高いフィット感と確かな効果が期待できます。

歯科医院でのマウスピース作成ガイド|費用・保険適用・流れ

歯ぎしりや食いしばりによるつらい顎の痛みや歯のダメージは、歯科医院で作成するマウスピース(ナイトガード)で効果的に対処できる可能性があります。このセクションでは、歯科医院でのマウスピース作成に関心をお持ちの皆さまに向けて、費用や保険適用の有無、そして完成までの具体的な流れを分かりやすく解説していきます。

ここでは専門的な知識がなくても安心して理解できるよう、実用的な情報を提供します。ぜひ、歯ぎしり・食いしばりの悩みを解決するための一歩として、参考にしてみてください。

保険適用で作れる?費用の目安

歯科医院でマウスピースを作成する際に、まず気になるのが費用ではないでしょうか。結論からお伝えすると、歯ぎしりや食いしばり(ブラキシズム)が原因で顎の痛みや歯のダメージがある場合、治療目的で作るマウスピース(スプリント)は健康保険が適用されます。

保険が適用される場合(3割負担の方)の費用の目安は、一般的に5,000円〜7,000円程度となることが多いです。ただし、予防目的で作成する場合や、特殊な素材、審美性を重視したマウスピースを希望される場合は自由診療となることがあります。正確な費用は、受診される歯科医院や診断内容によって異なるため、まずは歯科医師に相談し、診断を受けてから確認することをおすすめします。

マウスピース作成の基本的な流れ

歯科医院でのマウスピース作成は、通常、以下のステップで進められます。事前に流れを把握しておくことで、通院への不安が軽減され、スムーズに治療を進めることができるでしょう。

まず、【1. 初診・診断】では、問診や口腔内診査、レントゲン撮影などを行い、歯ぎしりの状態や顎関節の状態を詳しく診断します。次に、【2. 型取り】として、専用の柔らかい材料を使って、精密な歯型を採取します。この型を元に、一人ひとりの歯並びに合ったオーダーメイドのマウスピースが作製されます。

その後、約1〜2週間程度で【3. 完成・調整】が行われます。完成したマウスピースを実際に装着し、噛み合わせの高さやフィット感を歯科医師が細かく微調整します。最後に、【4. 定期メンテナンス】として、マウスピースの状態や噛み合わせの変化をチェックするため、定期的に歯科医院を受診していただくことになります。これにより、マウスピースを長く快適に使い続けることができ、歯ぎしり・食いしばりの症状を効果的に管理できます。

マウスピースのお手入れ方法と寿命(交換時期)

せっかく作ったマウスピースを長く、衛生的に使用するためには、適切なお手入れが欠かせません。基本的なお手入れとして、毎日の使用後に流水で丁寧に洗い、柔らかい歯ブラシで優しく清掃しましょう。この際、熱に弱い素材が多いため、必ず水かぬるま湯を使用し、熱いお湯は避けてください。

さらに、週に数回は専用の洗浄剤を使用すると、細菌の繁殖を抑え、より清潔に保つことができます。洗い終わったら、しっかりと水分を拭き取り、乾燥させて清潔な専用ケースで保管しましょう。これらのケアを怠ると、マウスピースの劣化を早めたり、口腔内の衛生状態が悪化したりする原因にもなりかねません。

マウスピースの寿命は、使用頻度や歯ぎしりの強さによって個人差がありますが、一般的には2〜3年程度が目安とされています。しかし、歯ぎしりが激しい方の場合は、短期間でマウスピースがすり減ったり、ひび割れたりすることもあります。もし、マウスピースが破損したり、フィット感が悪くなったり、汚れが落ちにくくなったりした場合は、早めに歯科医院に相談し、交換時期について確認しましょう。

マウスピース以外の対策と自分でできるセルフケア

歯ぎしりや食いしばりの症状を和らげるには、歯科医院で作成するマウスピースが非常に有効な手段の一つです。しかし、マウスピース治療だけが唯一の解決策ではありません。より根本的な原因へアプローチしたり、日常生活の中で手軽に実践できるセルフケアを組み合わせたりすることで、症状の改善をさらに早めることができます。

このセクションでは、専門的な治療の選択肢から、ご自身で今すぐにでも始められるセルフケアまで、幅広いアプローチをご紹介します。これらの対策を複合的に取り入れることで、つらい顎の痛みや不快感を軽減し、快適な毎日を取り戻す手助けとなるでしょう。

歯ぎしりの力が強い方向けの「ボトックス治療」

もし歯ぎしりの力が非常に強く、歯科医院で作成したオーダーメイドのマウスピースですら短期間で破損してしまうような重度のケースでお悩みでしたら、「ボトックス治療(ボツリヌス治療)」という選択肢も検討できます。

この治療は、物を噛むときに使う筋肉である「咬筋(こうきん)」に、ボツリヌス・トキシンという薬剤を注射することで、筋肉の過度な緊張を和らげ、歯ぎしりの力を弱めることを目的としています。咬筋の緊張が軽減されることで、歯や顎にかかる負担を大幅に減らすことができます。ただし、ボトックス治療の効果は一時的で、数ヶ月程度で徐々に薄れていくため、効果を維持するには定期的な施術が必要です。また、多くの場合、健康保険が適用されない自由診療となるため、費用についても事前に確認しておくことが大切です。

日中の無意識の癖を改善する「TCH是正指導」

日中の無意識の食いしばり癖は、「TCH(Tooth Contacting Habit:歯列接触癖)」と呼ばれ、顎や歯に大きな負担をかけていることがあります。本来、リラックスしている状態では、上下の歯は触れ合わず、わずかに隙間(安静空隙)が空いているのが正常です。しかし、集中していたり、ストレスを感じていたりすると、無意識のうちに歯を接触させてしまう癖がある方が多くいらっしゃいます。

このTCHを改善するためには、まずご自身の癖を自覚することが第一歩です。意識的に歯を離す習慣を身につけるための「TCH是正指導」では、「歯を離す」「力を抜く」といったメッセージを書いた付箋を、デスクやパソコン、スマートフォンの目につく場所に貼ることをおすすめしています。付箋を見るたびに意識的に上下の歯を離し、顎の力を抜くことで、徐々にその癖を改善していく認知行動療法です。こうした小さな意識付けの積み重ねが、日中の顎への負担を大きく軽減します。

顎周りの緊張をほぐすマッサージ

歯ぎしりや食いしばりによってこり固まった顎周りの筋肉をほぐすマッサージは、ご自宅で手軽に実践できるセルフケアの一つです。特に、食いしばりの影響を受けやすい「咬筋(こうきん)」と「側頭筋(そくとうきん)」を重点的にマッサージすることで、筋肉の緊張を和らげ、顎の痛みを軽減する効果が期待できます。

咬筋は、エラの少し上あたりに位置する大きな筋肉です。親指以外の4本の指の腹を使い、円を描くように優しくマッサージしてください。次に、側頭筋は、こめかみ付近にある筋肉です。こちらも同様に、指の腹でゆっくりとほぐしていきます。マッサージを行う際は、痛みを感じない程度の心地よい力加減で行うことが重要です。また、体が温まりリラックスしやすい入浴中に行うと、より効果を実感しやすいでしょう。継続することで、顎周りの筋肉の柔軟性が高まり、顎関節への負担も軽減されます。

ストレス管理と生活習慣の見直し

歯ぎしりや食いしばりの最大の原因の一つに「ストレス」が挙げられます。そのため、症状を根本的に改善するためには、ストレスを上手に管理し、生活習慣を見直すことが非常に重要です。まずはご自身にとって最適なストレス解消法を見つけることから始めてみましょう。例えば、趣味に没頭する時間を作ったり、ウォーキングやヨガなどの軽い運動を取り入れたりすることは、心身のリフレッシュに繋がります。

特に、就寝前の過ごし方は歯ぎしりに大きな影響を与えます。質の良い睡眠を促すために、ぬるめのお湯にゆっくり浸かって体を温めたり、リラックス効果のある音楽を聴いたりする時間を作ることをおすすめします。また、就寝1時間前にはスマートフォンやパソコンの使用をやめ、カフェインやアルコールの摂取を控えることも大切です。これらは覚醒作用があるため、睡眠の質を低下させ、歯ぎしりを悪化させる可能性があります。日々の生活の中でこれらの習慣を見直すことで、心身の緊張が和らぎ、歯ぎしり・食いしばりの症状の軽減に繋がるでしょう。

歯ぎしり・食いしばりに関するよくある質問

このセクションでは、これまで歯ぎしりや食いしばりについて解説してきた内容を踏まえ、皆さんが抱きがちな疑問にQ&A形式でお答えします。皆さんの不安や疑問を解消し、より安心して歯科医院を受診できるよう、具体的な情報を提供いたします。

Q. マウスピースの装着に違和感はありますか?

マウスピースを装着し始めた数日間は、異物感や多少の圧迫感を覚えることがあります。これは、お口の中に今までなかったものが入るため、誰にでも起こりうる自然な感覚です。しかし、歯科医院で作成するオーダーメイドのマウスピースは、皆さんの歯列に精密にフィットするように作られていますので、多くの方が1週間程度で慣れることができます。

もし、どうしても違和感が続いたり、痛みを感じるような場合は、無理に使い続けず、速やかに歯科医院にご相談ください。マウスピースの微調整を行うことで、より快適に装着できるようになります。

Q. 矯正中でもマウスピースは作れますか?

矯正治療中にマウスピースの作成を希望される場合、現在の歯の状態や矯正方法によって対応が異なります。ワイヤー矯正を行っている場合は、矯正装置にマウスピースが干渉してしまうため、作成が難しいことが多いです。一方、マウスピース型矯正(インビザラインなど)の場合であれば、治療計画に応じて、既存のマウスピースを併用したり、一時的な対応策を検討できることがあります。

いずれの場合も、まずは現在矯正治療を担当されている歯科医師に相談することが非常に重要です。自己判断せずに、専門家の意見を聞き、適切な指示に従うようにしてください。

Q. 何科を受診すればよいですか?

歯ぎしりや食いしばりの悩み、それに伴う顎の痛みについては、まず「歯科」または「歯科医院」を受診するのが最も適切です。歯科医師が皆さんの口腔内の状態や顎の動きを詳しく診断し、歯ぎしりのタイプや原因を見極めてくれます。

診断の結果に基づいて、マウスピースの作成や噛み合わせの調整など、皆さんに合った治療法を提案してくれます。場合によっては、より専門的な治療が必要と判断され、口腔外科や顎関節症を専門とするクリニックを紹介されることもありますのでご安心ください。

まとめ:つらい顎の痛みは歯科医院へ相談を。自分に合った対策で快適な毎日を

朝、顎の痛みや疲労感で目覚めることはありませんか?そのつらい症状は、もしかしたら歯ぎしりや食いしばり(ブラキシズム)が原因かもしれません。この無意識の癖は、単なる一時的な不快感にとどまらず、放置することで歯の損傷、顎関節症、さらには慢性的な頭痛や肩こりといった全身の不調、さらにはお顔の印象の変化にまでつながるリスクがあります。

最も有効な対策の一つが、歯科医院で一人ひとりの歯型に合わせて作るオーダーメイドのマウスピース(ナイトガード)です。これは歯や顎を保護し、過度な負担を軽減することで、様々な症状の緩和をサポートします。市販品では得られない精密なフィット感と確かな効果は、歯科医院だからこそ提供できるものです。

つらい症状を我慢し続けることはありません。まずは自己判断せずに、専門家である歯科医師に相談することが何よりも重要です。適切な診断を受け、ご自身の症状やライフスタイルに合った対策を見つけることで、顎の痛みから解放され、より快適で穏やかな毎日を取り戻せるでしょう。

 

少しでも参考になれば幸いです。
本日も最後までお読みいただきありがとうございます。

 

監修者

志田 祐次郎 | Shida Yujiro
日本大学松戸歯学部卒業後、国保旭中央病院、医療法人恵潤会つるみ歯科・小絹つるみ歯科に勤務し、医療法人Belldent志田歯科の理事を務める。 学校法人広沢学園つくば歯科衛生士専門学校の講師を経て、絹の台歯科クリニック、いちファミリー歯科クリニックで勤務を重ね、2020年に「かなまち志田歯科」開院。  

【所属】

 

【略歴】

 

  金町駅/京成金町駅徒歩2分の歯医者・矯正歯科
かなまち志田歯科
住所:東京都葛飾区金町6-1-7 LCプレイス1階
TEL:03-5876-3443

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