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医療コラム

妊娠中の虫歯治療はいつまで?安定期が最適?時期別の注意点を解説|金町駅徒歩2分の歯医者・矯正歯科「かなまち志田歯科」平日19時/土曜18時まで診療の総合歯科医

妊娠中の虫歯治療はいつまで?安定期が最適?時期別の注意点を解説

妊娠中の虫歯治療はいつまで?安定期が最適?時期別の注意点を解説

葛飾区金町の歯医者・矯正歯科『かなまち志田歯科』です。

はじめに:妊娠中の歯の痛み、我慢していませんか?

妊娠中の体の変化は、お口の中にも大きな影響を与えることがあります。もしかしたら今、歯の痛みや歯ぐきからの出血に悩まされているかもしれません。しかし、「お腹の赤ちゃんに何かあったらどうしよう」と、薬やレントゲン、麻酔の使用に不安を感じ、歯科医院への受診をためらっていませんか。

このコラムでは、そんな妊婦さんの抱える葛藤に寄り添いながら、妊娠中のどの時期に、どのような歯科治療が安全に受けられるのかを詳しく解説します。赤ちゃんへの影響に関する科学的根拠に基づいた情報を提供し、安心してマタニティライフを過ごせるよう、専門的な知識を分かりやすくお届けします。この記事を読み終える頃には、不安が解消され、ご自身と赤ちゃんの健康を守るための具体的な行動が見えてくるはずです。

結論:妊娠中でも虫歯治療は可能!ただし時期の選択が重要

結論からお伝えすると、妊娠中でも虫歯治療は安全に行うことが可能です。多くの妊婦さんが抱える「治療を我慢するしかない」という誤解を払拭し、安心して治療を受けていただくことができます。

ただし、妊娠期間を通していつでも同じように治療ができるわけではありません。母体と胎児の健康を最大限に守るためには、治療に最も適した時期を選ぶことが非常に重要になります。特に「妊娠中期」、いわゆる安定期と呼ばれる期間が、歯科治療を行う上で最もおすすめのタイミングです。なぜ安定期が最適なのか、そして妊娠の時期によってどのような点に注意が必要なのかについては、次の章で詳しく解説していきます。

【時期別】妊娠中の虫歯治療はいつまで?治療に最適なタイミング

妊娠中の歯科治療は、時期によって可能な範囲が変わります。これは、お母さんの体の状態や赤ちゃんの成長段階が、妊娠の時期によって大きく異なるためです。胎児の重要な器官が形成されるデリケートな時期や、お母さんの体調が不安定な時期には、できるだけ負担の少ない治療を選択する必要があります。一方で、母子ともに体調が安定する時期には、比較的多くの歯科治療を安全に受けられるようになります。妊娠中の各時期で、どのような歯科治療が適しているのかを理解することは、お母さんと赤ちゃんの健康を守る上で非常に大切です。

妊娠初期(1〜4ヶ月):応急処置が中心

妊娠初期は、お腹の赤ちゃんにとって最もデリケートな時期にあたります。この時期は、胎児の脳や心臓、内臓といった重要な器官が作られる「器官形成期」と呼ばれる大切な期間です。そのため、外部からの刺激は極力避けるべきとされています。

また、お母さん自身の体調も不安定になりがちです。つわりがひどく、吐き気やだるさに悩まされる方が多くいらっしゃいます。このような状態で長時間治療を受けることは、お母さんの心身に大きな負担をかけてしまいます。さらに、妊娠初期は流産のリスクが他の時期に比べてやや高いため、積極的な歯科治療は慎重に行う必要があります。

こうした理由から、妊娠初期の歯科治療は「痛みを和らげる」などの応急処置が中心となります。例えば、ひどく痛む歯の神経を一時的に鎮める処置や、化膿している部分の消毒、簡単に除去できる歯石の清掃などが挙げられます。抜歯を伴うような負担の大きい治療や、長時間の処置は原則として避け、安定期まで待つのが一般的です。

妊娠中期(5〜7ヶ月):安定期は治療のベストタイミング

妊娠中期、いわゆる「安定期」は、妊娠中の歯科治療において最も適した時期とされています。この時期になると、多くのお母さんのつわりが落ち着き、体調が安定してきます。身体的な負担が少なくなるだけでなく、精神的にも落ち着いて治療に臨めるようになります。

お腹の赤ちゃんも成長が進み、器官形成期を終えて安定した状態に入ります。そのため、妊娠初期に比べて歯科治療がお腹の赤ちゃんに与える影響を心配する度合いが低くなります。このような母子ともに安定した状態であれば、虫歯治療はもちろんのこと、歯のクリーニング、簡単な抜歯、被せ物や詰め物の治療など、ほとんどの一般的な歯科治療を安全に受けることが可能です。ただし、治療の際は、必ず妊娠中であることを歯科医師に伝え、負担の少ない体勢で休憩を挟みながら行うなど、細心の注意を払ってもらうようにしましょう。

安定期にしっかりと口腔内の問題を解決しておくことは、出産に向けてお母さんの健康を維持するためにも非常に重要です。この時期を逃さず、気になっている歯科治療や定期検診を受けることをおすすめします。口腔内の環境を整えることで、出産後の育児期間をより快適に過ごすことにも繋がります。

妊娠後期(8ヶ月〜出産まで):母体への負担を考慮

妊娠後期に入ると、再び歯科治療が制限されるようになります。この時期は、お腹が大きくせり出してくるため、長時間仰向けに寝た姿勢を保つことが難しくなります。仰向けになることで、子宮が下大静脈という大きな血管を圧迫し、「仰臥位低血圧症候群」を引き起こすリスクがあるためです。これは、血圧が急激に低下し、めまいや吐き気などの症状が現れることがあります。

また、出産が間近に迫っているため、不必要な刺激は避けたい時期でもあります。歯科治療によってお母さんにストレスがかかったり、体力を消耗したりすることで、ごく稀に早産を誘発する可能性もゼロではありません。そのため、この時期の歯科治療は、妊娠初期と同様に緊急性の高い応急処置が中心となります。例えば、激しい痛みを伴う場合や、感染症のリスクがある場合など、放置することが母子にとってより大きなリスクとなる場合に限り、必要最低限の処置が行われます。抜歯や根管治療といった負担の大きい治療は、原則として出産後に行うことが推奨されます。

妊娠中の歯科治療、赤ちゃんへの影響は?気になる疑問を解消

妊娠中に歯のトラブルに見舞われたとき、「治療がお腹の赤ちゃんに悪影響を及ぼさないだろうか」という心配が頭をよぎるのは当然のことです。特に、歯科治療で一般的に用いられるレントゲン撮影や麻酔、薬の服用については、多くの妊婦さんが強い不安を抱いています。しかし、ご安心ください。現在の歯科医療では、妊娠中のデリケートな時期でも、母体と胎児の安全を最優先に考えた治療方法が確立されています。

このセクションでは、皆さんが抱える具体的な疑問に対し、科学的根拠に基づいた正しい情報を提供し、過度な心配を解消することを目指します。レントゲン、麻酔、薬それぞれの安全性について、一つひとつ丁寧に解説していきますので、ぜひ安心して読み進めてください。

レントゲン撮影の安全性

歯科治療におけるレントゲン撮影は、お腹の赤ちゃんへの影響を心配される方が多いかもしれません。しかし、結論からお伝えすると、歯科用レントゲンによる胎児への影響はほとんどないと考えられています。その理由はいくつかあります。

まず、歯科用レントゲンは撮影部位が口元に限定されており、お腹から大きく離れています。一般的な医科用レントゲンと比較して、放射線量が極めて微量であることも特徴です。さらに、撮影の際には必ず、放射線を遮断する特殊な防護用エプロンを着用していただきます。これにより、万が一の放射線がお腹に届くリスクを最大限に低減できます。

これらの対策により、診断に必要な場合に限り、最小限の撮影を行うことで、母体と胎児の安全は十分に確保されるのです。歯科医師は、妊娠中であることを確認した上で、治療計画とレントゲン撮影の必要性を慎重に判断しますので、ご不明な点があれば遠慮なくご相談ください。

麻酔(局所麻酔)は使用できる?

歯科治療で痛みを伴う場合に用いられる局所麻酔についても、「お腹の赤ちゃんに影響しないか」と不安に感じる妊婦さんは少なくありません。しかし、現在の歯科治療で使用される局所麻酔は、妊娠中でも安全に使用できるとされています。

歯科の局所麻酔薬は、注射した部位で速やかに分解・代謝されるため、胎児まで到達する量はごくわずかです。通常量を適切に使用する限り、お腹の赤ちゃんに悪影響を及ぼす可能性は極めて低いと考えられています。むしろ、麻酔を使用せずに治療中の痛みを我慢する方が、母体のストレスや血圧上昇につながり、かえって母体や胎児に悪影響を及ぼす可能性があります。

そのため、痛みを我慢せずに安心して麻酔治療を受けていただくことが大切です。ただし、笑気麻酔や全身麻酔は、原則として妊娠中には使用しません。もし局所麻酔について不安な点があれば、遠慮なく歯科医師に質問し、納得した上で治療を進めるようにしましょう。

痛み止めや抗生物質などの薬は飲める?

妊娠中の薬の服用は、多くの妊婦さんが最も気にされる点の一つです。原則として、妊娠中の薬の使用は最小限に抑えるべきですが、歯の痛みが激しい場合や細菌感染が起きている場合は、母体や胎児への悪影響を防ぐために薬の服用が必要になることがあります。

例えば、我慢できないほどの強い痛みがある場合や、感染が進行して高熱が出ているようなケースでは、産婦人科医と連携を取りながら、妊娠中でも比較的安全とされている種類の痛み止め(アセトアミノフェンなど)や抗生物質が選択されることがあります。歯科医師は、必ず妊娠週数や体調を考慮し、産婦人科医とも相談の上、最も安全性の高い薬を最小限の量で処方します。

重要なのは、自己判断で市販の薬を服用したり、過去に処方された薬を使用したりすることは絶対に避けるべきだということです。必ず歯科医師や産婦人科医に相談し、専門家の指示に従ってください。専門家がしっかりとサポートしますので、不安なことや気になることがあれば遠慮なく伝えましょう。

妊娠中は避けた方がよい歯科治療とは?

ここまで、妊娠中に安全に受けられる歯科治療について解説してきましたが、中には妊娠中に避けるべき治療もあります。緊急性が低い治療や、母体への負担が大きい治療は、出産後に落ち着いてから行うのが望ましいとされています。

親知らずの抜歯などの外科処置

親知らずの抜歯は、その生え方によっては外科的な処置が必要となる場合があります。特に、歯ぐきの下に埋まっている親知らず(埋伏歯)の抜歯は、治療後の強い痛みや腫れ、感染のリスクが通常よりも高まることがあります。

このような外科処置を伴う抜歯は、術後に炎症を抑えたり、痛みを和らげたりするために、通常よりも強めの痛み止めや抗生物質が必要になる可能性があります。これらの薬の使用は、妊娠中にはできるだけ避けたいものです。そのため、緊急性の低い親知らずの抜歯は、基本的に出産後に延期することが推奨されます。

ただし、痛みがなく簡単に抜けるケースや、放置すると他の歯に悪影響を及ぼす可能性が高い場合など、歯科医師が安定期であれば可能と判断することもあります。まずは歯科医師に相談し、リスクとベネフィットを十分に理解した上で判断しましょう。

ホワイトニングやインプラント治療

ホワイトニングは歯を白くするための処置ですが、使用する薬剤が胎児にどのような影響を与えるかについては、まだ安全性が確立されていません。不要不急の美容目的の処置は、妊娠中には控えるのが賢明です。

インプラント治療は、歯を失った部分に人工の歯根を埋め込む外科手術を伴う治療です。この治療は、外科手術であることに加え、治療期間が長期にわたる特徴があります。また、妊娠・出産を経て顎の骨の状態が変化する可能性も考慮すると、体の負担が少ない出産後の落ち着いた時期に行うのが望ましいとされています。

なぜ?妊娠中に虫歯や歯周病になりやすい3つの理由

妊娠を経験すると「急に歯が悪くなった」「歯ぐきから血が出るようになった」と感じる方は少なくありません。これは、妊娠という特別な期間に、お母さんの体が大きく変化することで、お口の中の環境も普段とは異なる状態になるためです。このセクションでは、なぜ妊娠中に虫歯や歯周病のリスクが高まるのか、その具体的な3つの原因について詳しく解説していきます。

理由1:女性ホルモンの変化による影響

妊娠中にお母さんの体内で増加する女性ホルモン(エストロゲンやプロゲステロン)は、お口の中の環境に大きな影響を与えます。これらのホルモンは、特定の歯周病菌、特にプレボテラ・インターメディアなどの増殖を促進することが分かっています。その結果、歯ぐきが炎症を起こしやすくなり、腫れや出血を伴う「妊娠性歯肉炎」を引き起こしやすくなるのです。

また、一部の妊婦さんには、歯ぐきの一部が赤く腫れてこぶのようになる「妊娠性エプーリス」という良性の腫瘍が見られることがあります。これも、女性ホルモンの変化が関係していると考えられており、通常は出産後に自然に消失することが多いです。このようなホルモンの影響があるため、妊娠中は普段以上に丁寧な口腔ケアが重要になります。

理由2:つわりによる口腔ケア不足

妊娠初期から中期にかけて多くの妊婦さんが経験するつわりは、口腔ケアにも大きな影響を及ぼします。まず、吐き気やだるさで体調が優れないため、歯ブラシを口に入れること自体が苦痛に感じられ、毎日の歯磨きがおろそかになりがちです。これにより、食べかすが残りやすくなり、虫歯菌や歯周病菌が繁殖しやすい環境が作られてしまいます。

また、つわりによって嘔吐を繰り返すと、胃酸がお口の中に逆流してきます。胃酸は非常に強い酸性であるため、歯の表面にあるエナメル質を溶かしてしまう「酸蝕症」のリスクを高めます。歯のエナメル質が溶けると、歯が弱くなり虫歯になりやすくなるため、嘔吐後はすぐに歯を磨かずに、まず水でしっかりとうがいをしてから少し時間を置いて優しく歯を磨くなどの工夫が必要です。

理由3:食生活の変化と唾液の減少

妊娠中は、食生活が変化することも虫歯リスクを高める一因となります。つわりによる「食べづわり」で食事の回数が増えたり、特定のものが無性に食べたくなることで、酸っぱいものや甘いものを摂取する機会が増えることがあります。食事や間食の回数が増えると、その都度お口の中が酸性に傾き、歯が溶けやすい状態が長く続くため、虫歯のリスクが上昇します。

さらに、妊娠中は唾液の分泌量が減少しやすかったり、唾液の質が変化したりすることがあります。唾液には、食べかすを洗い流し、お口の中の酸を中和する「自浄作用」や「緩衝作用」と呼ばれる大切な働きがあります。この唾液の働きが低下すると、お口の中が汚れやすくなり、虫歯菌が増殖しやすくなってしまうのです。妊娠中は意識して水分を摂るなど、唾液の分泌を促す工夫も大切です。

放置は危険!妊娠中の口腔トラブルが母体と赤ちゃんに与えるリスク

歯の痛みやつらい症状を我慢することは、単にお母さん自身の問題にとどまらず、お腹の中の赤ちゃんにも影響を及ぼす可能性があります。多くの妊婦さんは「自分さえ我慢すれば、赤ちゃんには影響がないだろう」と考えがちですが、それは誤解です。適切な口腔ケアを受けることは、お母さんと赤ちゃんの両方の健康を守るために不可欠です。このセクションでは、妊娠中の口腔トラブルを放置することで生じる二つの大きなリスクについて詳しく解説し、なぜ早期のケアが大切なのかをお伝えします。

歯周病による早産・低体重児出産のリスク

妊娠中に重度の歯周病にかかると、早産や低体重児出産のリスクが高まることが医学的に指摘されています。これは、歯周病の原因菌によって歯ぐきに炎症が起きると、その炎症部分から「プロスタグランジン」という炎症性物質が血流に乗って全身に広がるためです。プロスタグランジンは子宮の収縮を促す作用があるため、これが陣痛を誘発し、結果として早産につながる可能性が考えられています。

また、歯周病菌そのものや、菌が作り出す毒素が胎盤を通して胎児に影響を及ぼす可能性も研究されており、低体重児出産のリスクを高める要因の一つとも言われています。ご自身のお口の健康を保つことは、お腹の赤ちゃんが健やかに成長するためにも非常に重要なのです。

生まれてくる赤ちゃんへの虫歯菌の母子感染

お母さんの口腔環境は、生まれてくる赤ちゃんの将来の虫歯リスクに直結します。生まれたばかりの赤ちゃんの口の中には、虫歯の原因菌である「ミュータンス菌」は存在しません。このミュータンス菌は、主に大人からの母子感染によって赤ちゃんにうつると言われています。

例えば、お母さんが使ったスプーンを赤ちゃんにも使ったり、熱い食べ物を冷ますためにフーフーした後にそのまま赤ちゃんにあげたり、キスをしたりといった日常的な行為を通じて、虫歯菌が感染してしまうのです。お母さんのお口の中に虫歯や歯周病があり、ミュータンス菌が多い状態だと、それだけ赤ちゃんへの感染リスクも高まります。妊娠中にお母さんご自身の虫歯や歯周病をしっかり治療し、口腔内の虫歯菌を減らしておくことは、生まれてくる赤ちゃんを虫歯から守るための第一歩となるでしょう。

妊娠中にできる!今日から始める口腔ケアと虫歯予防

妊娠中は、つわりやホルモンバランスの変化など、これまで経験したことのない体の変化に直面します。そのため、歯磨きが思うようにできなかったり、お口の中のトラブルが増えたりと、口腔ケアに悩む方も少なくありません。しかし、心配はいりません。妊娠中の様々な制約の中でも、日々のセルフケアを少し工夫するだけで、お口の中を良好な状態に保つことは十分に可能です。このセクションでは、歯科医院での専門的なケアと並行して、ご自宅で実践できる具体的な予防策をご紹介します。妊娠中でもできることから始めて、健康的で快適なマタニティライフを送りましょう。

つわりで歯磨きが辛い時の工夫

つわりで歯磨きが辛いと感じる妊婦さんはたくさんいらっしゃいます。歯ブラシを口に入れるだけで吐き気がしたり、歯磨き粉の香りで気分が悪くなったりすることもあるでしょう。そのような時は、決して無理をせず、ご自身の体調に合わせて工夫することが大切です。例えば、比較的体調の良い時間帯を選んで歯磨きをしたり、ヘッドが小さく奥歯まで届きやすい歯ブラシに変えてみたりするのも良い方法です。また、香りの少ない、または無香料の歯磨き粉を選んだり、いっそのこと歯磨き粉を使わずにブラッシングするだけでも効果があります。

どうしても歯磨きが難しい場合は、食後に水で何度か口をゆすいだり、刺激の少ないデンタルリンスや洗口液でうがいをするだけでも、食べかすを洗い流し、お口の中を清潔に保つことができます。完璧を目指すのではなく、「できる範囲で」続けることが大切です。また、嘔吐してしまった場合は、すぐに歯磨きをするのは避けましょう。胃酸で歯のエナメル質が一時的に軟らかくなっているため、すぐに磨くと歯を傷つけてしまう可能性があります。まずは水でしっかりうがいをしてお口の中を中和させ、30分ほど時間を置いてから優しく歯磨きをするようにしてください。

虫歯リスクを下げる食生活のポイント

妊娠中は、つわりによる食べづわりで食事の回数が増えたり、特定の食べ物(特に酸っぱいものや甘いもの)を好むようになったりと、食生活が変化しがちです。このような食生活の変化は、お口の中が酸性に傾く時間を長くし、虫歯のリスクを高める原因となります。特に、「だらだら食べ」は、お口の中が常に食べ物や飲み物にさらされるため、虫歯菌が活発に活動しやすい環境を作り出してしまいます。

虫歯リスクを下げるためには、食事や間食は時間を決めて摂ることが重要です。食事と食事の間に適切な時間を取り、お口の中を休ませて唾液による自浄作用を促しましょう。また、間食を選ぶ際には、糖分の少ないもの(例えば、無糖ヨーグルト、チーズ、ナッツ類、野菜スティックなど)を選ぶように心がけてください。そして、食後には可能であればすぐに歯磨きをするか、それが難しい場合でも水やお茶で口をゆすぐ習慣をつけると良いでしょう。日々の少しの意識が、大きなお口のトラブルを防ぎます。

フッ素やキシリトールを上手に活用する

毎日の歯磨きに加えて、フッ素やキシリトールといった補助的なアイテムを上手に活用することで、虫歯予防の効果をさらに高めることができます。フッ素には、歯の表面(エナメル質)を強化して虫歯菌の酸に溶けにくい歯にする効果や、一度溶け始めたエナメル質を修復する「再石灰化」を促進する効果があります。そのため、フッ素が配合された歯磨き粉や洗口液を日常的に使用することは、非常に効果的な虫歯予防策と言えます。

一方、キシリトールは天然の甘味料で、虫歯菌の活動を弱める働きがあるとされています。虫歯菌はキシリトールを栄養として利用できないため、酸を作り出すことができず、結果として虫歯になりにくい環境を作り出します。食後にキシリトール配合のガムやタブレットを摂取することは、お口の中の酸を中和し、唾液の分泌を促す効果も期待できます。ただし、キシリトール製品を選ぶ際は、「キシリトール100%」と記載されているものを選ぶようにしましょう。これらのアイテムを毎日のケアに取り入れることで、妊娠中のデリケートなお口の健康を守りましょう。

安心して受診するために|妊婦歯科検診のススメ

妊娠中の歯のトラブルは、お母さんだけでなくお腹の赤ちゃんにも影響を及ぼす可能性があるため、日々のセルフケアだけでなく専門家によるケアも非常に大切です。このセクションでは、ご自身の口内環境を正しく把握し、適切なアドバイスを受けるために、症状の有無にかかわらず一度「妊婦歯科検診」を受診することをおすすめします。安心して歯科医院を受診できるよう、事前に準備すべきことや活用できる制度についても詳しく解説していきます。

歯科医院へ行く前に準備・伝えること

妊婦さんが歯科医院を受診する際は、安全かつスムーズな診療のために、事前に歯科医師へいくつかの大切な情報を伝える必要があります。まず最も重要なのは、「現在妊娠中であること」「具体的な妊娠週数」「出産予定日」です。これらの情報を伝えることで、歯科医院側は妊婦さんの状態に合わせた適切な治療計画を立てることができます。

また、「母子健康手帳」を持参すると、産婦人科での検診記録や服薬歴などを歯科医師が確認できるため、より安心して治療を受けられます。もし、かかりつけの産婦人科医がいる場合は、その医療機関の情報(病院名や担当医など)も伝えておきましょう。さらに、ご自身の体調で気になる点(つわりの有無や程度、貧血、立ちくらみなど)や、現在服用している薬(市販薬を含む)があれば、全て詳しく伝えるようにしてください。

これらの情報を事前に共有することで、歯科医院は妊婦さんに配慮した診療体制を整え、例えば体位を楽にするクッションを用意したり、治療中の休憩をこまめに挟んだりするなど、細やかなサポートを提供することが可能になります。安心して治療を受けるためにも、遠慮せずに全ての情報を伝えるようにしてください。

自治体の妊婦歯科健診制度を活用しよう

妊娠中の歯科検診は非常に大切ですが、費用や受診のタイミングについて不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。実は、多くの自治体で妊婦さんを対象とした無料または安価な歯科健診制度が設けられています。これは、妊娠中の口腔ケアの重要性を広く認識してもらうための公的な支援策です。

この制度を活用すれば、気軽に歯科医師に相談し、ご自身の口内環境の状態をチェックしてもらうことができます。具体的な健診内容や利用方法は自治体によって異なりますが、一般的には母子健康手帳が交付される際に受診券が一緒に配布されることが多いです。また、お住まいの自治体のホームページや保健センターの窓口でも詳細な情報を確認することができます。

このような公的な制度を積極的に利用することで、費用を気にせず専門的なアドバイスを受け、妊娠中の口腔トラブルを未然に防ぐことにつながります。お母さんと赤ちゃんの健康を守るためにも、ぜひお住まいの地域の妊婦歯科健診制度について調べてみてください。

まとめ:妊娠中の虫歯は我慢せず、まずは歯科医師に相談を

妊娠中の虫歯治療は、時期と内容を適切に選べば安全に行うことができます。むしろ、「赤ちゃんに影響があったらどうしよう」と不安に思いながら、歯の痛みや口内トラブルを放置することの方が、母体と赤ちゃん双方にとって大きなリスクとなる可能性を秘めています。

このコラムでは、妊娠時期に応じた治療の最適なタイミング、レントゲンや麻酔、薬の安全性について詳しく解説してきました。妊娠中期(安定期)であれば、一般的な虫歯治療から歯のクリーニングまで、ほとんどの処置を安心して受けることが可能です。また、歯科用レントゲンや局所麻酔は、適切な配慮のもとで使用すれば胎児への影響は極めて小さいとされています。

しかし、妊娠中はホルモンバランスの変化やつわり、食生活の変化などにより、虫歯や歯周病になりやすい時期でもあります。放置してしまうと、歯周病による早産・低体重児出産のリスクや、生まれてくる赤ちゃんへの虫歯菌の母子感染といった、看過できない影響に繋がりかねません。大切な赤ちゃんの健康を守るためにも、お母さん自身の口腔ケアは非常に重要です。

痛みや違和感がある場合はもちろんのこと、特に症状がなくても、まずは歯科医院を受診し、ご自身の口の中の状態を専門家にチェックしてもらうことが大切です。多くの自治体では妊婦歯科健診制度も用意されていますので、ぜひ積極的に活用してください。一人で不安を抱え込まず、マタニティ歯科に理解のある歯科医師に相談することで、安心してマタニティライフを送り、健やかな赤ちゃんを迎える準備を進めることができるでしょう。

 

少しでも参考になれば幸いです。
本日も最後までお読みいただきありがとうございます。

 

監修者

志田 祐次郎 | Shida Yujiro
日本大学松戸歯学部卒業後、国保旭中央病院、医療法人恵潤会つるみ歯科・小絹つるみ歯科に勤務し、医療法人Belldent志田歯科の理事を務める。 学校法人広沢学園つくば歯科衛生士専門学校の講師を経て、絹の台歯科クリニック、いちファミリー歯科クリニックで勤務を重ね、2020年に「かなまち志田歯科」開院。  

【所属】

 

【略歴】

 

  金町駅/京成金町駅徒歩2分の歯医者・矯正歯科
かなまち志田歯科
住所:東京都葛飾区金町6-1-7 LCプレイス1階
TEL:03-5876-3443

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